KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百伍拾弐・・・野良

小林 「冷えるな。
 こんな時こそ散歩に出なければな」
北小岩 「からだ全体も冷えますが、
 もちろん玉金も
 冷えるわけですから」
小林 「いざという時のために、
 金冷法で
 最大限の力を発揮できるように
 しとかんとな」

じんじん

北小岩 「どうしたのでございましょうか。
 股間が痛痒いでございます。
 あっ、おちんちんが
 しもやけになっております!」

弟子のちんちんのしもやけなど、
世の趨勢にとって
まったくどうでもよいことであろう。

ささっ がさっ

小林 「むっ!」

みゃお〜〜!

どたどた

小林 「見たか?」
北小岩 「追いかけるネコさんは
 拝見いたしましたが、
 逃げた生物を見損ないました。
 なにか、
 丸みを帯びたものだったようです」
小林 「俺は確かに見たんやが、
 それを言っても
 信じられんやろな。
 俺の知り合いに、
 尻を追及しているヤツがおる。
 聞きにいくか」

なぜ尻を追及しているヤツに聞きにいくのか。
ともかく二人は尻をくっつけあい、
せ〜ので屁をするという意味のない行動をとり、
その意味のなさをエネルギーに
知人のもとへ急いだ。

北小岩 「お寒い中
 大変申し訳ございません。
 先生が何かを見たと
 おっしゃっているのですが、
 常人が信じられるものではないと」
尻を
追及し
ている
ヤツ
「なるほど。
 それはお尻ですね」
北小岩 「お尻が単独で
 外にいらっしゃるのですか!」
尻を
追及し
ている
ヤツ
「希少ですがいるんですよ。
  『野良尻(のらじり)』と
  呼ばれています」
北小岩 「どんな感じなのですか」
尻を
追及し
ている
ヤツ
「大雑把に言えば、
 お尻の形をしたカブトガニが
 動いているところを
 想像してもらえば、
 あたらずといえども遠からず
 といったとこでしょうか」
北小岩 「生態はいかがですか」
尻を
追及し
ている
ヤツ
「お尻にやさしい人の家に行き、
 ご飯をもらったりしてるんですよ」

北小岩 「何を食べるのでしょうか」
尻を
追及し
ている
ヤツ
「サツマイモを
 穴に突っ込んでもらって
 食べるのが好きらしいです」
北小岩 「おならはでないのですか」
尻を
追及し
ている
ヤツ
「でますよ。
 おならは得意です。
 お尻の穴をつぼめたりしながら、
 トランペット奏者のように
 巧みに音程を操作します。
 でもね」
北小岩 「はい?」
尻を
追及し
ている
ヤツ
「そそうをしてしまうことが
 あるんですよ」
北小岩 「えっ?」
尻を
追及し
ている
ヤツ
「その時にはお仕置きとして
 浣腸をされてしまいます」
北小岩 「よけい悲惨なことに
 なるのではないですか」
尻を
追及し
ている
ヤツ
「それ以上もらさないように、
 一生懸命穴を閉じて逃げます。
 『しりませ〜ん』と叫びながら」
北小岩 「・・・」

なお、野尻湖という湖がありますが、
野良尻とは何の関係もありません。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2021-01-31-SUN

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