さっさっ
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北小岩 |
「先生の書斎をお掃除するのは
ひさしぶりでございます。
エロ本コレクションが
溜まり過ぎて、
本棚が傾きかけております」
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みしみし
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北小岩 |
「いやな予感がいたします」
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ばりばり
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北小岩 |
「あっ!
本棚が崩壊し
エロ本が襲ってまいります!
痛いでございます〜〜〜!」
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欲にまみれたエロ本の下敷きに。
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北小岩 |
「美女たちの肉布団で
窒息するならともかく、
大量のエロ本で
生き埋めになりました」
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もぞもぞ
何とかエロ本の山から這い出ると。
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北小岩 |
「むっ、
この三枚の紙切れは
なんでございましょうか。
家紋が描かれております」
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じ〜い
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北小岩 |
「一枚目は『織田木瓜紋』。
先生のこ汚い字で
『小林家の家紋は
信長と同じだろう』と
書かれております。
そうなのでございますか!」
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ぱらっ
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北小岩 |
「二枚目の紙には『五三桐紋』。
やはり先生のこ汚い字。
『小林家の家紋は
秀吉と同じもあり得る』」
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ぱらっ
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北小岩 |
「三枚目は『丸に三つ葉葵』。
家康さんの紋でございます。
『小林家の家紋は
家康と同じも有力』」
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小林 |
「なぜエロ本の海で泳いどるんや。
相変わらずどすけべやな」
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北小岩 |
「あっ、先生。
本棚が崩壊し
エロ本の雪崩に
巻き込まれたのです。
それはそうと、
先生の家系は信長さん、
秀吉さん、家康さん、
いずれかにつながる
武将の出なのですか」
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小林 |
「当然そうやな。
しかし、三武将のうち
誰もが可能性があってな。
今、町の家紋研究家に
考証させとるんや。
お前は小林家は
どの武将と思うか?」
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北小岩 |
「そうでございますね。
先生は
しょうもないところばかりで
ございますが、
冷徹ではございません。
うじ虫さんやゲジゲジさんなど
嫌われがちな虫たちには
とてもやさしいです。
したがって信長さんはないかと」
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小林 |
「うむ。
秀吉はどや」
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北小岩 |
「先生には
秀吉さんのような知恵もなければ、
心配りもございません。
そう考えますと
秀吉さんもないかと」
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小林 |
「となると家康やな。
俺も実はそうではないかと
睨んでおった。
小林300年の栄華や」
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家紋
研究家 |
「先生!」
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小林 |
「おお。
わかったんか!
見せてみい」
ばっ
家紋研究家が紙を広げる。
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小林 |
「なんやこれは!
徳川の家紋やない。
ケツの穴そのものやないか!」
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家紋
研究家 |
「様々な文献、口伝、
その他をあたった結果が
こちらです。
小林家の家紋は
『葵の御紋(あおいのごもん)』
ではなく
『臭いの肛門
(くさいのこうもん)』でした」
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北小岩 |
「なんと!」
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葵の御紋(あおいのごもん)と
臭いの肛門(くさいのこうもん)。
どことなく響きは似ているが、
家格からいえば天地ほどの差があるであろう。 |