ざっざっざっ
向正面から男たちがやってくる。
一人はご立派なモチモノ。
一人はあるかないかわからないほどの極小。
とくれば、世の中にいなくてもいい
この二人である。
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小林 |
「冬に枯れたと思わせといて、
花たちが一気に
咲き誇っとるな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「お前は
冬に枯れたと思わせといて、
今はどや」
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北小岩 |
「枯れたままでございます」
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小林 |
「それもまた潔いな」
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北小岩 |
「あたたかきお言葉にございます」
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小林 |
「春の花では
何が好きなんや」
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北小岩 |
「以前に落葉樹林で
拝見いたしました
カタクリでございます」
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小林 |
「なるほどな。
カタクリの花ことばを
知っとるか」
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北小岩 |
「存じません」
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小林 |
「『寂しさに耐える』や」
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北小岩 |
「わたくしに
ぴったりかもしれません」
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小林 |
「うむ」
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北小岩 |
「話は変わりますが、
わたくしスローライフを
徹底しようかと思うのです。
17年以上前に
先生のお師匠様の友人の方で
達観者がいらっしゃいましたね」
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小林 |
「遅久角男
(おそくかくお)はんやな」
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北小岩 |
「股間を膨らませるだけで
3年かけて
らっしゃいましたね」
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小林 |
「『いじくり3年カキ8年』やな」
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北小岩 |
「あのお方が今、
どのようなスローライフを
実践しているのか
学ばせていただきたいのです」
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小林 |
「行ってみるか」
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師弟は所持する珠玉のエロ本を
エロ社長にゆずり、
その代金で各駅停車を乗り継ぎ
氏のもとへ。
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北小岩 |
「あそこにいらっしゃいますね。
こんにちは!
十数年前は
どうもありがとうございました。
わたくしもスローライフの世界に
入っていこうと思うのですが、
現在の遅久さまの生活は
いかがですか?」
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遅久 |
「やあ、君たちか。
以前は屹立させるまでに
3年かけていたけれど、
今では刺激を与えてから
30年かけて
マックスにしているよ」
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北小岩 |
「30年でございますか!
さすがでございます!!」
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遅久 |
「小便の方もスローにしたよ。
括約筋をゆるめてから
10年後に
小便がでるようになったよ。
屁も肛門を開いてから
20年後に出るようになったんだ」
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北小岩 |
「凄まじいでございます!!」
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小便や屁はともかく、
イチモツを屹立させるのに
30年かかるということは、
あそこがもう大きくならなくなったと
考えた方が妥当かもしれない。 |