たっ たっ
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小林 |
「急ぎながら
急がんようにせんとな」
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北小岩 |
「余分な刺激を与えては
いけませんね」
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小林 |
「膀胱は敏やからな。
だが少々
危険な領域になってきとるな」
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北小岩 |
「小便だけに
しょうしょう急ぎましょう」
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たったったっ
ばたん
じょ〜〜〜
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小林 |
「間に合ったな」
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北小岩 |
「はい」
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毎日のことであるが、先生と弟子は
散歩の途中強烈な尿意に襲われ
公衆トイレに駆け込む。
ここは町の要所で大勢が利用している。
「お前、便所で屁をこいたろ」
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お仕置
き隊員 |
「なに言ってんのよ!」
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「外まで聞こえたぞ」
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小林 |
「むっ、
あのクソガキは
町に越してきたばかりや」
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北小岩 |
「お仕置き隊員の恐ろしさを
知らないのでございます」
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小林 |
「こらガキ!
やめんかい!!」
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クソガキ |
「すげえでっけえ音の屁を
こいてたんだぜ!」
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お仕置
き隊員 |
「お前ら男全員、
覚えておけよ!」
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猛虎の尾を踏んでしまった。
それから一週間後。
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小林 |
「男便所を改装しとったが、
やっとできたようなや」
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北小岩 |
「わたくし、今まさに
大便意をもよおしております」
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小林 |
「俺も漏れそうや」
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ばたん
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北小岩 |
「むっ!
個室の扉がありません!」
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扉のかわりに30メートルの塀があり、
表面がボルタリングのようになっている。
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北小岩 |
「これを登って
向こうにたどり着けなければ、
大便できないのでしょうか」
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小林 |
「漏れそうや。
しゃあない」
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二人は必死にへばりつくのであったが。
ぶりりあんと〜〜〜
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小林 |
「うっ!
力を入れ過ぎて
漏れてしまったわ」
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北小岩 |
「わたくしもでございます」
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ぎゅいんぎゅいん
「わ〜!」
びゅ〜ん びゅ〜ん
「うお〜!」
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北小岩 |
「個室の中から
妙な音が聞こえてきます」
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運よく便器までたどり着けても、
そこには試練が待ち受けている。
洋式便器はロデオマシーンになっており、
粗相をしようものなら
己の大便が顔に投げつけられる。
和式便器は床が左右に動いて開き、
踏ん張り切れない男は
肥溜めの中に落ちる設計になっている。
お仕置き隊員を怒らせ
連帯責任を取らされてしまった男たちに
未来はない。 |
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