KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百六拾参・・・復讐

たっ たっ

小林 「急ぎながら
 急がんようにせんとな」
北小岩 「余分な刺激を与えては
 いけませんね」
小林 「膀胱は敏やからな。
 だが少々
 危険な領域になってきとるな」
北小岩 「小便だけに
 しょうしょう急ぎましょう」

たったったっ

ばたん

じょ〜〜〜

小林 「間に合ったな」
北小岩 「はい」

毎日のことであるが、先生と弟子は
散歩の途中強烈な尿意に襲われ
公衆トイレに駆け込む。
ここは町の要所で大勢が利用している。

「お前、便所で屁をこいたろ」

お仕置
き隊員
「なに言ってんのよ!」

「外まで聞こえたぞ」

小林 「むっ、
 あのクソガキは
 町に越してきたばかりや」
北小岩 「お仕置き隊員の恐ろしさを
 知らないのでございます」
小林 「こらガキ!
 やめんかい!!」
クソガキ 「すげえでっけえ音の屁を
 こいてたんだぜ!」
お仕置
き隊員
「お前ら男全員、
 覚えておけよ!」


猛虎の尾を踏んでしまった。

それから一週間後。

 

小林 「男便所を改装しとったが、
 やっとできたようなや」
北小岩 「わたくし、今まさに
 大便意をもよおしております」
小林 「俺も漏れそうや」

ばたん

北小岩 「むっ!
 個室の扉がありません!」

扉のかわりに30メートルの塀があり、
表面がボルタリングのようになっている。
 
北小岩 「これを登って
 向こうにたどり着けなければ、
 大便できないのでしょうか」

小林 「漏れそうや。
 しゃあない」

二人は必死にへばりつくのであったが。

ぶりりあんと〜〜〜

小林 「うっ!
 力を入れ過ぎて
 漏れてしまったわ」
北小岩 「わたくしもでございます」

ぎゅいんぎゅいん

「わ〜!」

びゅ〜ん びゅ〜ん

「うお〜!」

北小岩 「個室の中から
 妙な音が聞こえてきます」

運よく便器までたどり着けても、
そこには試練が待ち受けている。
洋式便器はロデオマシーンになっており、
粗相をしようものなら
己の大便が顔に投げつけられる。
和式便器は床が左右に動いて開き、
踏ん張り切れない男は
肥溜めの中に落ちる設計になっている。

お仕置き隊員を怒らせ
連帯責任を取らされてしまった男たちに
未来はない。
 

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2021-04-18-SUN

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