KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百六拾六・・・虫

ざっざっざっ

小林 「ゴールデンボールウイークも
 終わったな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「変わったことはあったか」
北小岩 「子どもの日に
 ボランティアの方から
 余った折り紙をいただきまして、
 かぶとを作ったのです」
小林 「ほほう。
 その後何をするかは
 容易に想像できるな。
 己の亀の頭にかぶせたんやろ」
北小岩 「そうでございます」
小林 「荘厳な光景や。
 お前も立派な日本男児やな」
北小岩 「ありがとうございます!」

荘厳でもなんでもないであろう。

小林 「むっ、
 町役場の屋上に女たちがおる」

ばっ

北小岩 「垂れ幕でございます」
小林 「なになに。
 『今日からちんちんを
  虫と見なす』」

ぶるぶるぶる

北小岩 「なぜ震えて
 いらっしゃるのですか」
小林 「お前には
 あの恐ろしさがわからんのか」
北小岩 「まったく意味がわかりません」
小林 「ちんちんは
 それぞれの男の所有物や」
北小岩 「はい」
小林 「自分の所有物やから
 なんとか安全が保たれとる。
 だが、
 虫とみなされるということは
 自分の所有物ではなくなり、
 常に危険にさらされる
 というこっちゃ」
北小岩 「どういうことでしょうか」
小林 「捕虫されたり
 駆除されたりしてしまうんや」
北小岩 「なんと!」

杞憂ではなかった。

「うわ〜!」

悲鳴が聞こえる公衆トイレに駆けつけると、
便器の中から伸びているウツボカズラに
ちんちんを溶かされそうになっている
男がいた。

ちん
ちんを
溶かされ
そうに
なって
いる男
「洗浄便座だと思って
 スイッチを押したら、
 ノズルのかわりに
 ウツボカズラが出てきて、
 ちんちんをくわえたんだ!」

「うお〜!」

小林 「どした!」

「小便をしようとしたら
 特殊な蜘蛛の巣が張ってあって、
 ちんちんが蜘蛛に捕まって
 糸を巻かれているんだ!」

小林&
北小岩
「・・・」

ちんちんが自分の所有物ではなく、
虫とみなされる。
これほど恐ろしいことがあるだろうか。

しかし、よくよく考えてみたら、
この町の男たちのちんちんは、
お仕置き隊その他女性の方々から
もともと虫としての扱いを
受けていたのですね。
めでたしめでたし。

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2021-05-09-SUN

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