KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百六拾八・・・水流

ざ〜 ざ〜

小林 「川が流れとるな。
 この音を聴いて何を思い浮かべる?」
北小岩 「巨大な膀胱を持った方の
 放尿でしょうか」
小林 「それも一理あるな」
北小岩 「ありがとうございます。
 先生はいかがでございますか」
小林 「ゆく河の流れは絶えずして、
 しかも、もとの水にあらず」
北小岩 「さすが先生でございます」
小林 「お前のカラダの中にも、
 川は流れとるで」
北小岩 「はっ!
 確かにそうでございます。
 口を水源に、
 カラダの中を
 とうとうと流れ、
 尿として
 大海に注ぐのでございます。
 ゆく尿の流れは絶えずして、
 しかも、
 もとの尿にあらずでございます」

話を先に進めよう。

小林 「この川をたどった山の麓で、
 川の流れに
 異変が起きとるらしい」
北小岩 「そうなのですか。
 ぜひうかがってみましょう」

二人はなぜかお尻の穴にコルクで蓋をし、
川辺の道を上流に向かった。

北小岩 「ずいぶん歩きましたね」
小林 「そやな。
 むっ!
 10年前に来た時には、
 真っすぐな一本の川やった」
北小岩 「どうしたことでしょう。
 Yの字に分かれております」
小林 「別れ目の部分が盛り上がり、
 丘になっとるな」
北小岩 「縮れた草が生えております。
 先を急ぎましょう」

しばらく行くと。

「きゃ〜!」

川遊びをしている女性の叫び声がした。

女性A 「股間の前で水が渦を巻き、
 パンティが流された〜!」

「きゃ〜! きゃ〜!」

女性B 「私なんか
 パンティを流された後に、
 股間の前の渦が最強になり、
 毛まで流されたわ!」
北小岩 「なんと!」
小林 「小股の割れ上がった女たちの
 パンティとあそこの毛や!」
北小岩 「何としても
 わたくしたちのものに
 いたしましょう!」

二人は全速力で川を下った。

北小岩 「あっ、
 先客がたくさんおります」

川の中は竿を手にしたスケベらが蠢いていた。
パンティ漁、まんげ漁とでもいうのであろうか。
パンティと毛は、この川のルールで
網や手を使って捕獲してはいけないらしい。
ケンカになるからだ。
釣り針を駆使し、
選ばれし者だけがお宝を手に入れられる。

「やった〜! 生パンティを釣った!!」

パンティならまだわかる。

「おっ!
 5本の竿で毛を5本、同時に釣ったわい」

「すげえ! さすが毛釣名人
 『万毛針舐目流
  (まんげばり なめる)』さんだ!
 山に籠って毛を針で引っ掛ける修行を
 続けていただけのことはある」

この川で起こった川の股割れ、
パンティと毛を奪い取る水流。
何もかも不思議である。
しかし、万毛針舐目流って、
どんな男なのだろう。
 

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2021-05-23-SUN

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