KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百七拾壱・・・尿

とんとん

「入ってますか」

北小岩 「入ってますよ」

「回覧板です」

北小岩 「ありがとうございます!」

先生宅は便所(大)と同等の扱いなので、
訪れる人はこのようにノックをするのである。

北小岩 「先生〜〜〜!」
小林 「なんや?」

つるっ どたっ き〜ん

小林 「うう・・・。
 床のエロ本ですべり、
 スケベ椅子の角で
 金玉を打ってしまったわ」

どうでもいいことなので先を急ごう。

北小岩 「町の『尿の日』が
 来てしまいました。
 そもそもなんで
 そんな日があるのでしょうか」
小林 「十年前に長老が
 性夢を見たらしいんや。
 だが、もう一歩のところで
 目が覚めてしまった。
 二度寝して強引に
 その先のエロ場面を
 見ようとしたんやが、
 膀胱がレッドゾーンに
 なっていることに
 気づかず漏らしてしまった。
 それを記念して
 『尿の日』ができたんや」
北小岩 「なるほど。
 ともかく会場に急ぎましょう」

ここは河川敷。

北小岩 「みなさま準備万端ですね」

町の男たちは全員参加。
足を両肩より少し広めに開き、
ちんちんを出して延々と並んでいる。
先生たちも列に加わった。

「よ〜い!」

じょ〜〜〜〜〜〜

お仕置き隊員の声が響き渡り、
手にしている『ピス! 取る』と呼ばれたモノの
先端から黄色い水が発射された。

じょぼじょぼじょぼ

最後尾の男が前の男の股下に放尿。
出終わる瞬間に前の男が放尿。
次に前の前の男が放尿。
つまり尿の日とは、町の男たちが
延々24時間放尿リレーをするのである。

町境で折り返すため、
男たちは超細長い楕円になっている。
 
小林 「油断をすると
 すぐに次の回が来るんや。
 でもそんなすぐに
 出るもんやない」
じょ・・・

先生の尿は数回目で勢いを失った。

北小岩 「危険です!」

びゅ〜っ

北小岩 「毒矢が飛んでまいりました!」

お仕置き隊員毒矢部隊が
遠くから双眼鏡で尿の出をチェック。
情けない者には情けのない毒矢を
放つのであった。

小林 「うお〜〜〜!」

矢尻が先生の極小棒をとらえた。

尿の日・・・。
この町には本来なくてもいいものが
多すぎる気がします。
 

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2021-06-13-SUN

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