コロコロ
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北小岩 |
「あれ?
フンコロガシさんでございます」
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小林 |
「誰の糞球かわからん。
注意せにゃあかんで」
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北小岩 |
「あっ、先生。
そうでございますね。
え〜と」
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じ〜っ
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北小岩 |
「糞球にこ汚い字で
『長老』と書かれております」
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小林 |
「げげっ。
長老の糞か。
こ汚いのではなく単に汚いやろ」
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北小岩 |
「また召集でございますか」
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小林 |
「長老は暑くなると興奮し、
しょうもないことばかり
言いだすからな」
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二人はギラギラ太陽が照りつける中、
イヤイヤ町はずれの祠にむかった。
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北小岩 |
「前回も長老は
エロ本片手に怪しげなことを
しておりましたが、
今回もでしょうか」
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小林 |
「今回は前回より
気温が5度高い。
まさか」
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長老 |
「おお、お前らか。
よく来たな」
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長老は左手にエロ本を2冊持ち、
右手を褌の中でもそもそ動かしていた。
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北小岩 |
「どのようなご用でございますか」
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長老 |
「町にあるすべてのゾーンを
かえた方がいいんじゃないかと
思ってな。
これを町長に渡してくれ」
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その内容は褌に書かれていた。
褌をはずし北小岩くんに手渡すと、
しなびたブツが風に踊った。
それから数週間後、先生の町のゾーンは?
まずは草野球から見てみよう。
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アンパ
イア |
「ボール!」
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投手 |
「どう見ても
ストライクゾーンに
入ってるだろ!」
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アンパ
イア |
「長老からの通達で
ストライクゾーンは
なくなったんだよ」
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投手 |
「えっ?」
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アンパ
イア |
「今日から
ストライクゾーンのかわりに、
デリケートゾーンが
導入されたんだよ」
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投手 |
「なんだよ、それ?」
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アンパ
イア |
「ホームベース上の空間に
Yの字があると想定し、
その真ん中周辺がストライク。
特別にワンバウンドで
下から突き上げる軌道も
ストライク。
それ以外はボールだよ」
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投手 |
「・・・」
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ダダダダッ バッ
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北小岩 |
「あちらでは
リレーの練習を
していらっしゃいます」
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陸上部
コーチ |
「そこでバトンタッチしては
ダメだ!」
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陸上
リレー
選手 |
「どういうことですか」
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陸上部
コーチ |
「長老から通達があって、
バトンゾーン
(テイクオーバーゾーン)が
デリケートゾーンになったんだよ」
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陸上
リレー
選手 |
「えっ?」
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陸上部
コーチ |
「レーンの中に
Yの字があるだろ。
その真ん中の所でしか
バトンを渡せないんだよ」
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再び練習が始まった。
ポトン
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陸上
リレー
選手 |
「しまった!
バトンを落とした。
叱られる!」
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パチパチパチ
コーチが拍手している。
落としたバトンが局所のあたりに
立ったのである。
その時には指導者は
拍手しなければならないらしい。
長老もこの暑さの中
そんなくだらないことばかり
考えているのなら、
静かに昼寝でもしていてほしいものである。 |
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