KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百八拾弐・・・反論

小林 ジジジジ
小林 「おいこらコオロギ!
 お前らがメスを呼んで
 乳繰り合おうとしとるのは
 わかっとるんや。
 散れ!」

シーン

一週間で卑しい人柄が変わるわけもなく、
今週も交尾前の虫たちを蹴散らす先生であった。

北小岩 「またやってらっしゃるので
 ございますか」
小林 「当然や!」

み〜んみんみん

小林 「お前らも
 メスをたぶらかせて
 乳繰り合おうとしとるのは
 わかっとるんや。
 のけ!」

ドン シャーッ

先生が木を蹴飛ばすと、
ミンミンゼミが小便をした。

北小岩 「うわっ!
 口を開けて見ておりましたら
 おしっこを飲んで
 しまいました!」
小林 「お前は
 飲尿プレイが好きなんやな」
北小岩 「そうではございません!」

オーシ ツクツク

小林 「むっ、
 ツクツクボウシや。
 メスの秘所を吸って
 おいしいつくつくと
 鳴こうと思っとるんやろ。
 食らえ」

ボン シャーッ

小林 「しまった!
 小便が目に入った!!」
北小岩 「よい目薬を
 さされましたね!」

二人の低レベルな嫌味合戦はともかく。

「ま〜んまんまん」

北小岩 「あなた様は
 セミさんとお話しできる人では
 ございませんか」
セミと
話せる
「先生にセミたちが
 反論してますよ」
小林 「どういうこっちゃ」
セミと
話せる
「先生は
 オスがメスを呼んで
 交尾すると不愉快になりますが、
 セミに言わせると
 人間はどうなんだと」
北小岩 「詳しくお聞かせください」
セミと
話せる
「木の高い所で
 鳴いているセミは、
 なぜそうしていると
 思いますか」
北小岩 「遠くのメスに
 鳴き声を聞かせるため
 でしょうか」
セミと
話せる
「いえ。
 実は高いところから
 人間のオスとメスが
 いやらしいことをしてるのを
 のぞき見しているのです」
北小岩 「そうなのでございますか!」

セミと
話せる
「のぞいたセミは
 人間の痴態に
 驚愕しています」
北小岩 「はい」
セミと
話せる
「素っ裸でゴロゴロして
 口と口を合わせていたかと
 思ったら、
 そのまま180度回転して
 淫らなことをしたり、
 後ろに回り込んだり、
 下半身がキツツキのような
 動きをしたり、
 わけのわからない
 鳴き声を出したり。
 セミの交尾の方が
 よっぽど潔いのに、
 先生と呼ばれているチンカスは、
 なぜセミたちの
 邪魔をするのかと」
北小岩 「セミさんは
 そうおっしゃいますが、
 先生は淫らなことを
 決していたしません。
 なぜならそのチャンスが
 皆無なのです。
 これからもないでしょう。
 ですから・・・。
 あっ、申し訳ございません」

先生がアブラゼミのような顔をして
 弟子をにらんでいた。

確かに人間はセミやコオロギ、
その他昆虫よりマン倍も
いやらしいと言えるだろう。
それにしても人類は、
いつからこんなにどすけべに
なったのだろうか。
最古の昆虫といわれるトビムシの仲間に
聞いてみたいものである。
 

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2021-08-29-SUN

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