小林 |
ジジジジ
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小林 |
「おいこらコオロギ!
お前らがメスを呼んで
乳繰り合おうとしとるのは
わかっとるんや。
散れ!」
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シーン
一週間で卑しい人柄が変わるわけもなく、
今週も交尾前の虫たちを蹴散らす先生であった。
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北小岩 |
「またやってらっしゃるので
ございますか」
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小林 |
「当然や!」
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み〜んみんみん
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小林 |
「お前らも
メスをたぶらかせて
乳繰り合おうとしとるのは
わかっとるんや。
のけ!」
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ドン シャーッ
先生が木を蹴飛ばすと、
ミンミンゼミが小便をした。
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北小岩 |
「うわっ!
口を開けて見ておりましたら
おしっこを飲んで
しまいました!」
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小林 |
「お前は
飲尿プレイが好きなんやな」
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北小岩 |
「そうではございません!」
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オーシ ツクツク
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小林 |
「むっ、
ツクツクボウシや。
メスの秘所を吸って
おいしいつくつくと
鳴こうと思っとるんやろ。
食らえ」
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ボン シャーッ
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小林 |
「しまった!
小便が目に入った!!」
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北小岩 |
「よい目薬を
さされましたね!」
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二人の低レベルな嫌味合戦はともかく。
「ま〜んまんまん」
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北小岩 |
「あなた様は
セミさんとお話しできる人では
ございませんか」
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セミと
話せる
人 |
「先生にセミたちが
反論してますよ」
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小林 |
「どういうこっちゃ」
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セミと
話せる
人 |
「先生は
オスがメスを呼んで
交尾すると不愉快になりますが、
セミに言わせると
人間はどうなんだと」
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北小岩 |
「詳しくお聞かせください」
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セミと
話せる
人 |
「木の高い所で
鳴いているセミは、
なぜそうしていると
思いますか」
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北小岩 |
「遠くのメスに
鳴き声を聞かせるため
でしょうか」
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セミと
話せる
人 |
「いえ。
実は高いところから
人間のオスとメスが
いやらしいことをしてるのを
のぞき見しているのです」
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北小岩 |
「そうなのでございますか!」
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セミと
話せる
人 |
「のぞいたセミは
人間の痴態に
驚愕しています」
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北小岩 |
「はい」
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セミと
話せる
人 |
「素っ裸でゴロゴロして
口と口を合わせていたかと
思ったら、
そのまま180度回転して
淫らなことをしたり、
後ろに回り込んだり、
下半身がキツツキのような
動きをしたり、
わけのわからない
鳴き声を出したり。
セミの交尾の方が
よっぽど潔いのに、
先生と呼ばれているチンカスは、
なぜセミたちの
邪魔をするのかと」
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北小岩 |
「セミさんは
そうおっしゃいますが、
先生は淫らなことを
決していたしません。
なぜならそのチャンスが
皆無なのです。
これからもないでしょう。
ですから・・・。
あっ、申し訳ございません」
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先生がアブラゼミのような顔をして
弟子をにらんでいた。
確かに人間はセミやコオロギ、
その他昆虫よりマン倍も
いやらしいと言えるだろう。
それにしても人類は、
いつからこんなにどすけべに
なったのだろうか。
最古の昆虫といわれるトビムシの仲間に
聞いてみたいものである。 |
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