KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百九拾七・・・家電

小林 「もうすぐクリスマスやな。
 今年はおなごから
 何かもらえそうか」
北小岩 「未定でございます」
小林 「股間が気持ちよくなる
 プレゼントが
 欲しいところやな」
北小岩 「望むところでございます」

びゅ〜 びゅ〜 ばっ ばっ

北小岩 「突風で
 クリスマスツリーのモミの木が、
 こちらに二本飛んでまいります!」

ぐさっ ぐさっ

小林&
北小岩
「うお〜!」

ツリーの先端には鋭利な星がついており、
師弟のちんちんに突き刺さった。
一足早いメリークリスマス!である。

小林 「危なくチンチンを
 失うところやった」
北小岩 「恐ろしいことでございます」
小林 「おっ?
 こんなところに
 電気屋ができとるな。
 冷やかしてみるか」

ざっざっ

北小岩 「何の変哲もないお店のようです」
小林 「奥にレンタルビデオ屋の
 エロコーナーのような
 カーテンがあるな」
北小岩 「入りましょう」

一歩足を踏み入れると
『EI搭載家電』の看板が目に入った。

「気になりますか」

北小岩 「あなた様は?」

「店主です。
 EIと聞くと
 エモーショナル・
 インテリジェンスかと思いますね。
 確かにそうなのですが、
 私たちはそれを一歩進めて
 【E=ERO(エロ) I=私】。
 つまり『エロです、私』というテーマの
 家電を並べております」

北小岩 「どういうことなのか
 さっぱりわかりません」
店主 「今まで家電は
 私たちのエロに
 寄り添ってくれていましたが、
 これからは家電自体が
 エロを味わう時代になりました」
北小岩 「おっしゃることが
 さらにわかりません」
店主 「こちらの洗濯機をご覧ください」
北小岩 「水槽の中に穴があいていて、
 いやらしい形のモノが
 ちらちら見えます」
店主 「この洗濯機自身が
 好みの使用済みパンティを選ぶと、
 穴の中から
 チンチンのようなものが出てきて
 それをくわえ、
 形や香りを味わうのです」

小林 「それは新しいな」
店主 「こちらの照明の
 デモンストレーションを
 ご覧ください」

かちっ びゅっ

北小岩 「マネキン女性の
 股間を照らしております」
店主 「光線が服をすりぬけ
 下着が熱くなってきます。
 女性は思わずパンティを
 脱がずにはいられません。
 この照明には
 特殊アイがついていて、
 照明自身が
 女性の裸体を楽しみます」
北小岩 「・・・」


家電自体がスケベを味わう。
新時代の幕開けという気もするが、
気がするだけで
ろくでもない商品であることだけは確かであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2021-12-12-SUN

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