KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百九拾八・・・聖地

北小岩 「息が白いでございます」

ふ〜っ ふ〜っ

北小岩 「むっ。
 わたくし
 ビッグスケールなことを
 思いつきました。
 しゃがんで『は〜っ!』と
 白い息をはきます。
 そして素早く
 おちんちんを出すのです。
 すると霧の向こうに
 雄大なおちんちんが
 たっているように
 見えるのではないでしょうか。
 試してみましょう」

は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ

北小岩 「今でございます!」

ばっ

ちんち〜ん

北小岩 「きっと霧に煙る山並に
 そびえる馬並に
 見えていることでしょう」

「お〜い、北小岩く〜ん」

「何やってるんだ〜い」
 
北小岩 「はっ。
 あなた方はお友だちの
 尻野穴香流
 (けつのあな かおる)さんと
 尿道太
 (にょうどう ふとし)さんでは
 ございませんか」
尻野穴 「とにかく
 ちんちんを仕舞ってくれよ」
北小岩 「失礼いたしました。
 ところでお二人とも
 やけに嬉しそうですが
 どうしたのですか」
尿道 「僕たちの故郷の村が
 アニメの舞台になったんだ」
北小岩 「そうなのでございますか!」
尻野穴 「閑散としていたんだけど、
 今や聖地として
 にぎわっているんだよ」
北小岩 「やりましたね!」
尿道 「『しんにょう使いの天使たち』
 という作品なんだ」
北小岩 「漢字の部首の
 しんにょうでございますね。
 内容はわかりませんが
 ロマンチックな響きがいたします!
 先生にもお伝えいたします!!」

弟子は家に急行した。

小林 「こら〜〜〜〜〜!!!」

だだだっ

北小岩 「門から複数の男女が
 飛び出してまいりました」
小林 「くそう!
 逃げおったか」
北小岩 「先生、どうされたのですか」
小林 「うちの庭に
 小便する女や
 大便する男が
 押し寄せとるんや」
北小岩 「どういうことでしょうか」
小林 「アニメに
 うちの庭が出てきたらしく、
 聖地になってしまったんや。
 なんでも
 『おしっこ団』という女集団と
 『うんこ団』という男集団が
 対立していたらしいんやが、
 うちの庭で
 小便や大便をしているうちに
 友情が芽生え、
 ワンチームとなって
 未来へ歩き出すという
 ストーリーらしいんや」
北小岩 「作品名はなんというのですか」
小林 「『糞尿使いの天使たち』や」
北小岩 「・・・」


『しんにょう使いの天使たち』と
『糞尿使いの天使たち』。
一文字違うだけで
聖地といってもウン泥の差になってしまう。

当然なことだが
『おしっこ団』と『うんこ団』が
ひとつになっても、
ワンチームという言葉は
使ってほしくないものである。

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2021-12-19-SUN

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