KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百弐・・・思い違い

バリン

「ドロボー!」

小林 「北小岩、追いかけるんや」
北小岩 「はい」

だっ ぐにょ どた べちょ

北小岩 「ぐへえ〜!
 犬のフンを踏んで
 倒れたところに
 別の犬のフンが落ちており、
 口に入ってしまいました」
小林 「逃げられたな」
北小岩 「今年に入って町には
 頻繁に悪者が出没しております。
 わたくしたちの手に負えません」
小林 「正義の味方が現れんと
 我が町は大変なことになるな」

師弟は町一番の暇人のため
防犯係に任命されているのだ。

びゅー

小林 「むっ。疾風か」

ダダダダッ

北小岩 「違います。
 人のようです」

小林 「疾風のように現れるといえば、
 正義の味方に違いない」
北小岩 「この町を救いに
 来てくれたのですね!」

ダダダダッ

小林 「悪者と反対の方向に進んどる。
 むっ、
 スケベホテルに入って行くぞ」

ホテルの中では。

「いや〜ん」

「でへでへ」

ダダダダッ

「その体位はくびれに手をかけて、
 もう少し脚を持ち上げた方が
 いいですよ」

女性 「きゃ〜!
 あんた誰なのよ!!」

「私は『性技の味方』」

女性 「えっ?
 スーパーマンじゃないの?」
性技の
味方
「私は『スーパーマンのコ』」
女性 「『の』を取ったら
 まずいじゃない!
 何しに来たのよ?」
性技の
味方
「性技の味方ですから、
 体位などをご指導いたします」

壁に耳をつけて盗み聞きしていた師弟。

小林 「聞いたか」
北小岩 「はい」
小林 「全く役に立たんな」
北小岩 「そうでございますね」


正義の味方と同音ではあるが、
先生の町にはこの男の方がお似合いであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2022-01-16-SUN

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