バリン
「ドロボー!」
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小林 |
「北小岩、追いかけるんや」
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北小岩 |
「はい」
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だっ ぐにょ どた べちょ
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北小岩 |
「ぐへえ〜!
犬のフンを踏んで
倒れたところに
別の犬のフンが落ちており、
口に入ってしまいました」
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小林 |
「逃げられたな」
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北小岩 |
「今年に入って町には
頻繁に悪者が出没しております。
わたくしたちの手に負えません」
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小林 |
「正義の味方が現れんと
我が町は大変なことになるな」
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師弟は町一番の暇人のため
防犯係に任命されているのだ。
びゅー
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小林 |
「むっ。疾風か」
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ダダダダッ
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北小岩 |
「違います。
人のようです」
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小林 |
「疾風のように現れるといえば、
正義の味方に違いない」
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北小岩 |
「この町を救いに
来てくれたのですね!」
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ダダダダッ
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小林 |
「悪者と反対の方向に進んどる。
むっ、
スケベホテルに入って行くぞ」
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ホテルの中では。
「いや〜ん」
「でへでへ」
ダダダダッ
「その体位はくびれに手をかけて、
もう少し脚を持ち上げた方が
いいですよ」
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女性 |
「きゃ〜!
あんた誰なのよ!!」
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「私は『性技の味方』」
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女性 |
「えっ?
スーパーマンじゃないの?」
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性技の
味方 |
「私は『スーパーマンのコ』」
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女性 |
「『の』を取ったら
まずいじゃない!
何しに来たのよ?」
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性技の
味方 |
「性技の味方ですから、
体位などをご指導いたします」
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壁に耳をつけて盗み聞きしていた師弟。
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小林 |
「聞いたか」
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北小岩 |
「はい」
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小林 |
「全く役に立たんな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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正義の味方と同音ではあるが、
先生の町にはこの男の方がお似合いであろう。 |