小林 |
「隣町から何かが飛んでくるで。
のぞき部屋の招待券かもしれん」
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バッ
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北小岩 |
「我が手中におさめました。
え〜と。
芸術展の招待券が
二枚ございました。
世界中の名作が総結集と
書かれております」
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小林 |
「芸術にもエロは潜んどる。
行ってみるか」
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だっだっだっ
芸術とエロの境界線がない二人は、
まぬけ面して館に入っていく。
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小林 |
「どんな名作が来とるんかな」
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北小岩 |
「ミケランジェロ、
ロダン、ムンク、ミロ・・・」
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小林 |
「勢ぞろいやな。
この先に
ダビデ像があるみたいや」
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北小岩 |
「お部屋が
暗くなっておりますね」
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小林 |
「ライトアップされとるな。
むっ、
ライトに照らされとるのは
ダビデのちんちんや」
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北小岩 |
「もぎとられたような
おちんちんだけしか
ございません」
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「男にとっては恐ろしいことですね」
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北小岩 |
「あなた様は?」
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「芸術展の学芸員です。
ミケランジェロのダビデを
展示するつもりだったのですが、
フィレンツェから届いたのは
おちんちんとビデでした」
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北小岩 |
「ビデは関係ないですよね」
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学芸員 |
「そうですね」
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小林 |
「ここに
『考える人』があるが、
股間が膨らんどるやないか」
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学芸員 |
「考える人にも
数種類ありまして、
それは
『スケベなことを考える人』です」
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北小岩 |
「頭の中まで見えませんが、
十分にあり得ることで
ございますね。
うわっ、
このムンクの『叫び』は
何なのですか」
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学芸員 |
「例えばピカソの作品には、
他の絵の上に
別の絵が描かれているものが
あります。
ムンクの叫びも
そうだったのです。そ
こで下の絵と上の絵を
掛け合わせたものがそれです」
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小林 |
「苦悶の表情は誰かから
にぎりっ屁をされて、
とてつもなく臭くて
背景まで歪んでしまったんやな」
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北小岩 |
「ここに超長い望遠鏡が
ございます」
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小林 |
「向こうに
ミロのビーナスのような
彫刻があるな」
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北小岩 |
「のぞいてみますね」
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小林 |
「むっ、
望遠鏡の先端が
秘所についとるやないか」
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北小岩 |
「うわあ。
凄いものが見えます!」
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学芸員 |
「私たちは
『アソコを見ろのビーナス』と
呼んでます」
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小林&
北小岩 |
「・・・」
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先生の町もかなり胡散臭いが、
隣町もどっこいどっこいである。 |