チリンチリン
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北小岩 |
「郵便屋さんがまいりました」
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郵便屋
さん |
「先生と北小岩さんに
一通ずつです」
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北小岩 |
「ありがとうございます!
なんでございましょうか」
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びりびりびり
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北小岩 |
「え〜と。
むっ!
すぐに先生に
知らせなければなりません。
今頃書斎でえげつないエロ本を
読んでいることでしょう」
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小林 |
「なんやお前。
でかい声で
人聞きの悪いことを言うんやない」
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北小岩 |
「申し訳ございません。
わたくしに
封書が届いたのですが、
先生の封書も
類似の内容かと思われます」
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びりびりびり
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小林 |
「なになに?
むっ!
今年の隣町との
『屁飛ばし対抗戦』の先鋒が
俺やと!
お前はなんや」
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北小岩 |
「わたくしは次鋒でございます」
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小林 |
「対抗戦には町の威信がかかっとる」
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北小岩 |
「今から三カ月後です。
山に籠って修行いたしましょう」
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二人はさっそく裏山に籠った。
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北小岩 |
「隣町には
おならを遠くへ飛ばす
猛者が大勢おりますね」
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小林 |
「そやな。
俺たちも屁で
野鳥を打ち落とせるぐらいに
しとかんとな」
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先生は褌を外すと尻を空に向けた。
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小林 |
「ポイントは四十五度や。
その角度で屁を放てば鳥は」
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ぷ〜〜〜
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小林 |
「どや?」
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北小岩 |
「何事もなかったかのように
飛んでおります」
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小林 |
「そうか・・・」
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師弟はその後、
毎日屁を遠くまで飛ばす修行に明け暮れ
決戦の日を迎えた。
屁飛ばし対抗戦とは、
町の境界線で後ろ向きに立って尻を突き出し、
隣町に向かってどれだけ遠くまで
屁をかませられるかで勝敗を決めるのである。
剣道などでは
先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の順に
勝負することがあるが、
屁飛ばしの場合は
先屁、次屁、中屁、副屁、大屁の
名のもとに戦う。
先に3敗すると敗けなので、先生の先屁、
北小岩くんの次屁ともに重要である。
どこまで屁が届いたかは、
中立の町に住む『鼻神兄弟』と呼ばれる
二人の男がジャッジする。
氏らは500メートル離れた場所にある
犬の糞がどういう状態のものかがわかるほどの
驚異的な鼻力を持っている。
今大会では境界線から30メートル先に座り、
屁が何メートル飛んだかを判断するのだ。
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鼻神
兄弟A |
「ではこれより
第69回屁飛ばし対抗戦を
開催します。
先屁の2選手は位置について
放屁体勢に入ってください」
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鼻神
兄弟B |
「よ〜い、屁イ!」
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ぷ〜〜〜〜〜!
先生が歯を食いしばり、
もとい、肛門を食いしばり屁を飛ばした。
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鼻神
兄弟A |
「屁距離45センチ!」
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隣町はどうであろう。
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鼻神
兄弟B |
「屁距離2メートル!」
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小林 |
「ああ・・・」
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各選手2回放屁のチャンスが与えられる。
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小林 |
「寒さで肛門が
かじかんでしまったわ。
次はそんなこと言っとられん!!」
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鼻神
兄弟B |
「よ〜い、屁イ! 屁イ!!」
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小林 |
「ためをつくってGO!」
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ブリッ
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小林 |
「しまった!」
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鼻神
兄弟A |
「こちらの先屁、
実まで出しました!
よって失格。
罰として『液化天然屁』注入!!」
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先生のケツの穴にホースが装着された。
どくどくどく
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小林 |
「うお〜〜〜!」
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液化天然屁とは
凄まじく臭い屁を大量に集めて、
−162度まで冷却し
液化したという恐るべきものである。
肛門で気化したら
先生はどうなってしまうのか。
結論から言えば、どうなっても構わないでしょう。 |