北小岩 |
「近頃わたくしたちの町にも
野鳥が増えているようです」
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きゅるきゅる〜
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北小岩 |
「この声は
ムクドリさんでございますね」
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き〜き〜
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北小岩 |
「ヒヨドリさんが鳴いております」
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うお〜
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北小岩 |
「むっ、
今の鳴き声はなんでしょうか」
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うお〜 うお〜
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北小岩 |
「鳥ではございません。
このまぬけな声は・・・」
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小林 |
「北小岩〜〜〜!」
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北小岩 |
「公衆トイレからでございます。
先生どういたしましたか」
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小林 |
「どうもこうもない」
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北小岩 |
「あっ、
おちんちんを出したまま
カラダを濡らしております。
いやらしいことを
されていたのですね!」
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小林 |
「そうやない。
尿意がマックスになって
便所に駆け込んだんや。
とてつもない勢いで
放尿しているその時」
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北小岩 |
「その時?」
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小林 |
「突然地面に角度がついて、
小便が全部自分にかかった」
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北小岩 |
「めまいを起こされたのでは
ないでしょうか」
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ぐぐっ
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北小岩 |
「むっ、
確かに地面に
角度がついてまいりました」
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小林 |
「さっきと同じや」
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「うわ〜!」
ばきっ しゅ〜
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北小岩 |
「どなたかが便器に座ったまま、
大便部屋の壁を突き破り」
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大便
して
いる人 |
「助けてくれ〜〜〜!」
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北小岩 |
「今までよりも
急角度になった坂を
便器ごと滑って行ってしまいました。
どういうことでしょうか」
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「この町にも起きましたか」
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北小岩 |
「あなた様は?」
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「私は角度に詳しい人です。
今、日本では
突然角度が変わる現象が多発しています」
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北小岩 |
「そうなのでございますか!」
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角度に
詳しい
人 |
「そうです。
人は普段、角度について
あまり考えることがないですが、
実は人間にとって角度は
最も重要なものなのです」
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北小岩 |
「あっ!
そういえばおちんちんも
角度が大切ですね」
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角度に詳しい人は
やさしい笑顔で北小岩くんに近づき、
そっと肩を叩いた。
美しい光景に見えなくもないが、
なぜ急に角度が変わってしまうのかなど、
重要なことは何一つわからないままである。 |