KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百拾・・・同期

ガキA 「お前、
 パソコンとスマホ同期させた?」
ガキB 「まだだよ」
ガキA 「パソコンのデータを
 スマホで持ち歩けるし、
 データ移動もしなくていいから
 楽だよ」
ガキB 「そうか。
 やってみるよ」

そんなことはとっくの昔からわかっている
という顔で横を通り過ぎた師弟であったが、
何も知るはずはない。

小林 「俺たちは
 スマホなどという
 時代遅れのものは
 使わんからな」
北小岩 「その通りでございます。
 スマホは電池がなくなると
 使えなくなるそうです」
小林 「俺たちの電話は、
 未来永劫何があっても
 使えるからな」
北小岩 「もちろんでございます」

師弟は所持金がひとり2円、
ふたりで4円しかないので、
二人にとってスマホもパソコンも
王侯貴族のものなのである。
ちなみに師弟が所持する電話は、
塀の上に捨ててあった紙コップと、
廃品からだらしなく垂れ下がっていた糸でつくった
糸電話なのである。

小林 「パソコンには
 キーボードというものがあり、
 乳首形のたくさんのでっぱりを
 ちょこちょこ押すらしいな」
北小岩 「それは
 うらやましいでございます」

先生は誰かからの偽情報を
信じているらしい。

小林 「俺たちも同期させんとな」

紙粘土で作った乳首に
糸電話の糸をからませる。

北小岩 「さすが先生でございます!
 同期が完了いたしましたね」
小林 「うむ」

女A 「何いってんのよ!」

バシッ

男A 「どうしてだよ。
 ほんとのことを言っただけだろ」

他の男女も。

女B 「そんな失礼なこと言って!
 もうおしまいよ!!」

ゴキッ

男B 「いててて。だって・・・」
小林 「どうしたんや?」
男A 「彼女が
 『私、照れくさいわ』
 って言ったんだよ。
 そうしたら彼女の方向から
 『おならくさい』空気が
 流れてきたんだよ。
 だから
 『おならくさくねえか』
 って言ったら
 彼女が激怒して・・・」
小林 「お前はどや?」
男B 「僕も同じようなものなんだけど。
 彼女が
 『めんどくさい』
 と言った瞬間、
 あたりがおならくさくなったんで
 指摘したら殴られて・・・」
北小岩 「先生、
 どういうことでしょうか」
小林 「同期やな」
北小岩 「もしや!」
小林 「そや。
 『くさい』という言葉に
 『おならくさい』が同期して、
 実際に屁のにおいが
 出現したというこっちゃな」
男A&
男B
「・・・」

このケースを
同期というのが正しいのかはわかりません。
しかし、日本語にはしゃらくさい、
うさんくさい、きなくさい、けちくさい、
しんきくさい、アホくさい、みずくさい、
バタくさいなど、くさいがつく言葉が
数多あります。
特に女性の方は、
くさいと言う時にはご注意ください。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
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2022-03-13-SUN

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