小林 |
「ついに来てしまったな。
この期間、男は命がけや」
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北小岩 |
「町議会の決定は
絶対ですからね」
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いったい何が決まったというのだろう。
時計の針を数日戻してみよう。
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小林 |
「ええ天気やな」
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北小岩 |
「お花が
咲き誇っておりますね」
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小林 |
「あれは『ジャーマンアイリス』。
あそこは
『ニオイバンマツリ』やな」
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北小岩 |
「えっ?
『匂うパンティ祭り』ですか」
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小林 |
「かなり蠱惑的な名やが違うな」
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北小岩 |
「わたくし、
今の時季のお花ですと
ツツジやマーガレットしか
存じません」
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小林 |
「俺ぐらいモテると、
おなごと奥深く
花の会話もできんと話にならん。
まあ、お前には必要ないけどな」
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北小岩 |
「さすが先生でございます!」
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小林 |
「むっ、
あそこに貼り紙がある」
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北小岩 |
「嫌な予感がいたします。
え〜と。
『ゴールデンウイークを
ゴールデンボールウイークとし、
その期間ダサいヤツの金玉は
好きにしていいことが
町議会で決まりました。
よかったね!』」
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師弟は青ざめた。
時計の針を今に戻す。
ついに来てしまったというのは
そういうことなのだ。
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小林 |
「用心せんと玉を失うことになるで」
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北小岩 |
「あれ?
わたくしの玉が変です」
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ぐぐぐ〜
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北小岩 |
「どこかに
引っ張られていくようです」
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小林 |
「俺のもや」
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ピタッ
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北小岩 |
「しまったでございます!
『きんたまホイホイ』に
くっついてしまいました!!」
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小林 |
「俺のもや」
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きんたまホイホイとは、
金玉が好む女性の
フェロモン(通称エロモン)によって
おびき寄せ、
玉を捕らえて離さないのである。
その上恐ろしいことに・・・。
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北小岩 |
「玉が二つとも
とれてしまいました!」
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小林 |
「俺のもや」
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びゅん
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小林 |
「きんたまホイホイが
逃げてくで!!」
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きんたまホイホイはポールを上がっていき、
先生と北小岩くんの玉は
鯉のぼりにつけられてしまった。
議会で女性議員が
「男の鯉のぼりに
金玉がついていないのはおかしい!」
と言い出し、鯉のぼりの股間? に
生の金玉をつけることになったのだ。
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小林 |
「このままじゃ、
ええ女と気持ちええことをする時に
役に立たなくなってしまう。
ポールに登って取り返すんや!」
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北小岩 |
「かしこまりました。
よいしょ、こらしょ。
お父さん鯉の金玉はわたくしの。
子ども鯉の金玉は先生の。
大きさからいえば
当然でございます。
さあ、もう少しでございます」
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びゅっ ひらひらひら〜
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北小岩 |
「あっ、強風で
お父さん鯉と子ども鯉が
ポールから外れ、
飛ばされてしまいました!」
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小林 |
「俺たちの玉が〜〜〜!」
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北小岩 |
「待ってください〜〜〜〜〜!」
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先生と北小岩くんの金玉の運命やいかに。
それにしても先生の町の議会は、
こんなことばかりを決めているのでしょうか。
実はそうなんです。 |