小林 |
「今日で
ゴールデンボールウイークも
終わりやな。
何かええことあったか」
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北小岩 |
「まったくない上に、
わたくしたちの金玉が
亡き者にされそうになりました」
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師弟は先週
きんたまホイホイに金玉を捕らえられ、
とれてしまった玉を
男鯉のぼりにつけられたのである。
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北小岩 |
「奪還寸前、
突風で鯉のぼりが
飛んでしまいました」
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小林 |
「さらにやっと追いついたと思ったら
トンビが金玉をくわえて
飛んでいってしまったな」
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北小岩 |
「先生は
通りすがりの子どもが持っていた
玉子パンを奪い、
トンビに
『金玉よりも玉子の方がおいしいから
交換しよう』と交渉したのでした」
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小林 |
「ぎりぎりのところで
取り返したな」
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北小岩 |
「あと数分遅かったら
わたくしたちの金玉は
永久につかなくなっていました」
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師弟の金玉などなくなっても
大勢に影響はないが、
そんなどうでもいいドラマがあったとは
驚きである。
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小林 |
「ゴールデンボールウイークの
ラストぐらい
のんびり過ごしたいと思ったんやが」
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北小岩 |
「また貼り紙がございましたね」
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小林 |
「うちの長老と隣町の長老が、
ゴールデンボールウイーク最終日に
とてつもないものを用意して
楽しませてくれるそうや」
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北小岩 |
「気が重いですね」
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小林 |
「長老が絡むと
ろくなことがないからな」
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北小岩 |
「うちの長老さまもくだらないですが、
隣町の長老さまも
双璧と言われております」
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小林 |
「くだらなさBIG2の企画や」
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北小岩 |
「危険なものを感じます」
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町境に行くと
すでに多くの人が集まっていた。
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司会 |
「ゴールデンボールウイークも
本日ジ・エンド。
そこで二つの町の長老が
英知を結集し、
誰も見たことのないマシンを
呼んでくれました」
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ゴーーーーー! ゴーーーーー!
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小林 |
「なんや!
あれは」
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とんでもなく巨大で妙な車が、
町境を猛スピードで走ってくる。
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司会 |
「これぞまさに宇宙一!
10万人の大便を吸引した
バキュームカーです!!」
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小林 |
「げげっ!
タンクから太いホースが
10本出とるで」
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ゴゴゴゴッ
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司会 |
「むっ!」
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グバグバグバ
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司会 |
「バキュームカーの様子が変です!
みなさま、
ただちに避難してください!!」
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びじょ〜 びじょ〜 びじょ〜
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北小岩 |
「ホースから
大便が噴き出してきました!」
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んごんごんご んごんごんご
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小林 |
「タンクから妙な音がせんか」
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北小岩 |
「もしかすると
爆発するのではございませんか」
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どかどか どっか〜ん!
べちょ べちょ べちょ べちょ
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小林 |
「うお〜〜〜!
臭え〜〜〜!」
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北小岩 |
「10万人分の大便が
火山の噴火のように
飛び散っております!」
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ゴールデンボールウイーク最終日に現れた
超巨大バキュームカー。
果たしてそんなものを呼ぶ意味は
あったのであろうか。 |