とぼとぼ
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北小岩 |
「今日はやることが
何もありませんね」
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とぼとぼとぼ
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北小岩 |
「むっ!
もしかするとわたくしは、
暇の割れ目に
入ってしまっているのかも
しれません!」
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小林 |
「お前、昼間っから
姫の割れ目に入るなどと
超ド級のいやらしいことを
叫んどるんやない!」
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北小岩 |
「あっ、先生。
姫の割れ目ではなく
暇の割れ目と」
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小林 |
「そんなことはどうでもええ。
調べ物があって図書館まで行くが
一緒に来るか」
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北小岩 |
「かしこまりました」
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師弟は図書館の肛門から中に入った。
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北小岩 |
「ところで先生の調べ物というのは
どのようなことでございますか」
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小林 |
「海外などから
スポーツが伝来してきた時、
我が町だけ妙なことに
なってしまったらしいんや」
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北小岩 |
「どういうことでしょう。
さっぱりわかりません」
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小林 |
「俺もようわからん。
ともかく町の歴史を
紐解いてみるんや」
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二人は特別に、
眠っている資料の部屋に通された。
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ごほん ごほん
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小林 |
「埃がたまっとるな」
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北小岩 |
「そうでございますね。
え〜と、なになに。
『日本にベースボールが伝来した時、
我が町にだけ誤って伝わりました』」
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小林 |
「いきなり核心に来たな。
その先はどや?」
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北小岩 |
「『ベースボールは
バットを手に持って打ちますが、
我が町に伝わったのは
【ペニスケース・ベースボール】
でした』」
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小林 |
「なんやそれは!」
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北小岩 |
「『ペニスケースを
いちもつに装着し、
それを振り回して
硬い玉を打つのです。
玉は鋼鉄でできてます』」
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小林 |
「そんなことをしたら
チンチンがいかれてしまうで!」
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北小岩 |
「『多くの男が不能になりましたが、
今の長老のお父さんが
ペニスケース・ベースボールを
町技にしたため、
それからもチンチンを
破滅に追い込む競技は
続いてしまいました。
町の人々が間違いに気づいたのは
50年後でした』」
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小林 |
「50年も気づかなかったんかい!
他はどや?」
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北小岩 |
「『空手も間違って伝わりました。
それは【金玉空手】と呼ばれ、
女が男の金玉を
つま先で突き刺すように蹴り上げる、
または鉄拳で
えぐるようにつぶすなどの技だけに
特化したものです。
好評であったため、
女の町技として
今も切磋琢磨されています』」
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ぶるぶる がくがく
師弟は震えが止まらなくなった。
幾度も金玉空手の有段者から金玉攻撃を受け、
首の皮一枚、もとい玉袋の皮一枚で
ぶら下がっている状態なのである。
スポーツや武道が誤って伝来してしまうことほど
恐ろしいことはない。
世紀(性器)の大誤算というべきであろう。 |