小林 |
「俺たちの町の会社が
えらく生産性が低いのは
知っとるか」
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北小岩 |
「ちらっと噂に
聞いたことがございます」
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小林 |
「惨憺たるものらしい」
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北小岩 |
「それは一大事でございます」
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小林 |
「他の町に比べて
どれぐらい低いと思う?」
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北小岩 |
「え〜と、
4分の3ぐらいでしょうか」
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小林 |
「甘いな。
100分の1や」
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北小岩 |
「なんと!」
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小林 |
「なぜそこまで低いのか探ってくれと
町役場の経済担当に頼まれてな」
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北小岩 |
「わたくしたちの町の復興にとっても
最重要ミッションでございます。
先生とわたくしで
問題点を洗い出し、
しっかりと提言せねばなりませんね」
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小林 |
「そういうこっちゃ」
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二人は町で一番大きい会社である
『蟻の門渡り株式会社』を訪問した。
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北小岩 |
「お忙しいところ
大変恐縮でございます。
町役場の方から」
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蟻の
門渡り
株式会社
受付 |
「連絡はいただいております。
会議室へどうぞ」
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師弟が入ると、
ちょうど会議が終わる時だった。
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蟻の
門渡り
株式会社
部長 |
「では後は社長と副社長で
揉んでいただき、
フィードバックをお待ちいたします」
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蟻の
門渡り
株式会社
社長 |
「そうじゃな」
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小林 |
「俺はこの後の詰めが
甘いんじゃないかと睨んだ」
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北小岩 |
「社長室に急ぎましょう」
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この会社のお偉方は
課題をどう揉んで昇華するのであろうか。
二人が陰から部屋をのぞくと。
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蟻の
門渡り
株式会社
社長 |
「では揉むとするかのう」
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蟻の
門渡り
株式会社
副社長 |
「そうしましょう」
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もみもみ もみもみ
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蟻の
門渡り
株式会社
社長 |
「うえへへっ」
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蟻の
門渡り
株式会社
副社長 |
「ういっへ〜〜〜」
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北小岩 |
「おじいさんとおじいさんが、
乳首と股間を
揉みあっております!」
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蟻の
門渡り
株式会社
社長 |
「いくつになっても
揉みはこそばゆいのう」
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蟻の
門渡り
株式会社
副社長 |
「そうですね」
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もみもみ もみもみ もみもみ もみもみ
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蟻の
門渡り
株式会社
社長 |
「うえへへっ」
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蟻の
門渡り
株式会社
副社長 |
「ういっへ〜〜〜」
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社長は89歳、副社長は87歳である。
先生の町の一番大きな会社がこれでは
他社は推して知るべし。
生産性どころの話ではない。
それにしても
蟻の門渡り株式会社とは何の会社で、
この二人は何をフィードバックするのか。
まったくわけがわかりませんね。 |