ぱらぱら
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北小岩 |
「魔法使いの女の子でございます。
箒に乗っていらっしゃるのですね」
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ぱらぱらぱら
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北小岩 |
「とってもかわいらしいでございます。
わたくしたちの町にも
現れてくださらないでしょうか」
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小林 |
「おまえ今、町に小股の割れ上がった
AV女優がウハウハな姿で
現れないかと言ったやろ」
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北小岩 |
「いえ。
わたくしは
かわいらしい魔法使いの女の子が」
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小林 |
「魔法使いか」
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北小岩 |
「心当たりがあるのでございますか」
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小林 |
「昔この町にも来たという話や」
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北小岩 |
「そうなのでございますか!
ぜひ、お聞かせください」
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小林 |
「俺はその時たまたま
出かけておったんやが
残骸は見たな」
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北小岩 |
「残骸でございますか。
まったく想像がつきません」
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小林 |
「その場に居合わせたヤツがおるから
聞きにいくか」
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二人は暑さのあまりぐったりしているイチモツに
井戸水をかけ、
気化熱で冷やされる心地よさを動力に
その場に居合わせたヤツのところへ向かった。
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北小岩 |
「お忙しいところ
大変申し訳ございません。
わたくし、箒に乗った魔法使いに
恋焦がれるものなのですが、
以前この町にも
魔法使いが現れたとうかがい」
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その場
に居合
わせた
ヤツ |
「魔法使いがやって来たことは
確かだけど、
箒になんか乗ってなかったぜ」
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北小岩 |
「そうなのでございますか」
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その場
に居合
わせた
ヤツ |
「あんたはかわいい女の子の
魔法使いが来たと
思っているだろうが、
それも違うぜ」
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北小岩 |
「どういうことでしょうか」
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その場
に居合
わせた
ヤツ |
「この町に来たのは
魔法使いのおじいさんだよ」
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北小岩 |
「そうなのでございますか」
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その場
に居合
わせた
ヤツ |
「箒じゃなくて、
便器にまたがって飛んで来たんだよ」
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北小岩 |
「えっ!」
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その場
に居合
わせた
ヤツ |
「みんな最初は笑って見てたんだよ。
でもそのじいさん、
褌が風に飛ばされ、
上空でクソを漏らしたんだよ」
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北小岩 |
「げげっ!」
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その場
に居合
わせた
ヤツ |
「みんな逃げまどってさ。
じいさんも慌ててしまって、
壁に激突して
便器が割れちゃったんだよ」
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小林 |
「俺が用事を済ませて
町に戻って来た時、
割れた便器が散乱しとってな。
残骸だけは見たんやが、
じいさんはどっかに消えとった」
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北小岩 |
「・・・」
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この話から学べるのは、魔法使いは必ずしも
箒にまたがってやってくるわけでも、
かわいい女の子でもないかもしれない
ということである。
しかし、
そのようなことは学ぶ必要などないような気もする。 |