KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百参拾九・・・どっち

男A 「どっちだよ?」
男B 「う〜ん。
 こっちだろ!」

ぱっ

もわ〜

男B 「くっ、くせえ〜!」
男A 「へへへへ。
 お前の負けだな!」
男B 「おえ〜〜〜!」
「どっちよ?」
「こっちだね」

ぱっ

「セーフ!
 さあ、どっちだよ?」
「こっちでしょ!」

ぱっ

もわ〜

「クソッ屁だ!
 あんたって
 ほんとにひどいクズ男ね!!」


どういうことであろう。
先生の町では、数年に一度
ここだけにしかない遊びが流行るのである。

小林 「今回はかなりハードやな」
北小岩 「老若男女、
 ひとつひとつが
 真剣勝負でございますね」

遊びはこんなルールだ。
一対一の闘い。
向かい合って座る。先攻を決める。

北小岩 「先攻の方は
 自分のお尻の穴あたりに両手をやり、
 相手にどちらの手に握らせたか
 わからないように
 屁をするのでございますね」
小林 「そして
 握った両こぶしを裏にして、
 相手の前に差し出す」
北小岩 「ど〜ちだ?
 と言われたら
 屁が入っていないと思う方の手に
 鼻を差し出します」
小林 「間違えたら最後や」
北小岩 「この闘いのために、
 各自一週間前から
 お肉やお豆やチーズや玉子や
 ニラ、タマネギなどで
 屁のベースを
 作っておくのですね」
小林 「中には
 大便を漏れる寸前まで我慢して、
 便が混ざっているとしか
 思えない臭さのクソッ屁を
 かますやつもおるな。
 仲が悪い夫婦の闘いも凄惨や」
北小岩 「あそこに
 おじいさんとおばあさんがおります」
おばあ
さん
「どっちじゃ?」
おじい
さん
「こっちじゃな」

もわ〜

おじい
さん
「むっ。
 ばあさんや、
 なかなかいい筋した屁じゃないか」
おばあ
さん
「う屁っへへ〜」
おじい
さん
「こりゃ
 一屁(いっぺ)取られたのう」

くだらない遊びであるが、
どこかのどかな気もするのである。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2022-10-02-SUN

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