男A |
「どっちだよ?」
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男B |
「う〜ん。
こっちだろ!」
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ぱっ
もわ〜
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男B |
「くっ、くせえ〜!」
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男A |
「へへへへ。
お前の負けだな!」
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男B |
「おえ〜〜〜!」
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妻 |
「どっちよ?」
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夫 |
「こっちだね」
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ぱっ
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夫 |
「セーフ!
さあ、どっちだよ?」
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妻 |
「こっちでしょ!」
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ぱっ
もわ〜
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妻 |
「クソッ屁だ!
あんたって
ほんとにひどいクズ男ね!!」
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どういうことであろう。
先生の町では、数年に一度
ここだけにしかない遊びが流行るのである。
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小林 |
「今回はかなりハードやな」
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北小岩 |
「老若男女、
ひとつひとつが
真剣勝負でございますね」
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遊びはこんなルールだ。
一対一の闘い。
向かい合って座る。先攻を決める。
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北小岩 |
「先攻の方は
自分のお尻の穴あたりに両手をやり、
相手にどちらの手に握らせたか
わからないように
屁をするのでございますね」
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小林 |
「そして
握った両こぶしを裏にして、
相手の前に差し出す」
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北小岩 |
「ど〜ちだ?
と言われたら
屁が入っていないと思う方の手に
鼻を差し出します」
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小林 |
「間違えたら最後や」
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北小岩 |
「この闘いのために、
各自一週間前から
お肉やお豆やチーズや玉子や
ニラ、タマネギなどで
屁のベースを
作っておくのですね」
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小林 |
「中には
大便を漏れる寸前まで我慢して、
便が混ざっているとしか
思えない臭さのクソッ屁を
かますやつもおるな。
仲が悪い夫婦の闘いも凄惨や」
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北小岩 |
「あそこに
おじいさんとおばあさんがおります」
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おばあ
さん |
「どっちじゃ?」
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おじい
さん |
「こっちじゃな」
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もわ〜
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おじい
さん |
「むっ。
ばあさんや、
なかなかいい筋した屁じゃないか」
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おばあ
さん |
「う屁っへへ〜」
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おじい
さん |
「こりゃ
一屁(いっぺ)取られたのう」
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くだらない遊びであるが、
どこかのどかな気もするのである。 |