KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百四拾四・・・大文字

北小岩 「あっ、
 伝書コウモリさんでございます」

ひらひら ぱっ

北小岩 「えげつないエロ本の切れ端に
 何か書かれております」
小林 「人前で堂々と
 エロを堪能するとは
 お前もいっぱしの男になったな」
北小岩 「あっ、先生。
 そうではございません。
 町はずれの祠に住む
 長老から手紙が届いたのです」
小林 「ろくなことやないな。
 読んでみい」
北小岩 「え〜と。
 『ところでお前ら、
  自ら慰めとるか』」
小林 「いきなりなんや」
北小岩 「『話は大股開きにかわるが
  わしが美しいと思うものを
  知っとるか』」
小林 「大幅をわざと
 大股開きに間違えとるな。
 長老は大文字焼きが好きなんや」
北小岩 「『夜空を借景に浮かび上がる
  大の文字。
  まさに幽玄の世界じゃ。
  そこでわしもやってみることにした。
  よそではやらん趣向をこらしてな』」
小林 「いやな予感しかせんな」
北小岩 「『三日後に
  町の真ん中にある乳首山でやっから
  楽しみにしとれ』」

小林

「しゃあない。
 行くか」

北小岩 「見ておかないとすねますからね」

当日・・・

ガヤガヤガヤ

北小岩 「老若男女、大勢の方が
 集まっていらっしゃいます」
司会 「みなさん大変お暇なところ、
 お集まりいただき
 ありがとうございません。
 では長老主催の
 大文字焼きを始めます!
 カウントダウンで点火です。
 3、2、1、
 ファイヤー!!」

ボッ パッ

「わ〜、キレイ!」

「この町にしては珍しく趣があるな」

司会 「さあ、火が回ったところで
 長老からのプレゼント!
 どこにもない大文字焼きを
 味わっていただきます!!」

びゅ〜んびゅ〜んびゅ〜ん

北小岩 「大の字から
 何かが多数発射されました。
 こっちへ飛んできます」

べちょべちょ

小林 「なんかついたな」

クンクン

小林 「やばい!
 クソや!!」
北小岩 「逃げましょう!!」
司会 「長老からのメッセージを
 読み上げます。
 『どうじゃ? 大の字から大便。
  盛大じゃろ。
  大ウン字焼き。
  焼けクソ。
  楽しんでいただけたかな?』」

長老の頭の中はいったい
どうなっているのだろうか。
考えてみればなぜこの人物が
町の長老なのかも謎である。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2022-11-06-SUN

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