ころんころん
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北小岩 |
「遠くから
フンコロガシさんがやってきます。
何かをころがしておりますが
フンではないようです」
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じ〜っ
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北小岩 |
「むっ、
ころがしているのは
パンティではございませんか!」
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小林 |
「お前真っ昼間から
大声でパンティなどと
叫ぶんやないで」
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北小岩 |
「あっ、先生。
あそこをご覧ください。
フンコロガシさんがパンティを」
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ダダダダダッ ばっ
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小林 |
「俺のモンや!
むっ、秘所のところに
何か書いてあるな。
『先週の【大ウン字焼き】は
みんな楽しんだようじゃな』」
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北小岩 |
「長老さまからです。
今回はメッセージを
パンティコロガシさんに
託したのですね」
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小林 |
「嫌な予感しかせんな。
え〜と。
『故事ことわざとして
有名なものがいくつもあるが
ワシらの町では
それをそのまま使うのは
やめにするんじゃ』」
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北小岩 |
「どういうことでしょうか」
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小林 |
「まったくわからん。
『ワシが故事ことわざを再構築した。
一人に一つ割り当てる。
言葉を言葉のままに
しといてはいかん。
血肉にせねば』」
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北小岩 |
「大げさになってまいりましたね」
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小林 |
「『お前らのところにも
故事ことわざが届き、
血肉と化せるようにしとくぞ』」
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それから数分後。
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小林 |
「向こうから来るのは
町の実行委員女たちや」
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町の実
行委員
女A |
「お前の故事ことわざはこれな。
人の褌で相撲を取る改め
『人の褌を煮る』」
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鍋がセットされ昆布のかわりに
汚すぎて腐ってしまった
使用済み褌が入れられた。
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町の実
行委員
女A |
「お前は
超くせえ褌をダシにしてつくった
鍋を食べきるんだよ」
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実行委員女に逆らうと
金玉を失うことになりかねないので
先生はすなおにしたがった。
ぱくっ
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小林 |
「うげげ〜!
悪魔のダシや!!
これが言葉を血肉と化すということか」
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町の実
行委員
女B |
「あんたはこれだよ。沈
黙は金改め『沈黙は金玉』」
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がっ
金玉空手黒帯の実行委員女Bの蹴りが
弟子の金的をとらえた。
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北小岩 |
「うぐっ」
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町の実
行委員
女B |
「声出すなよ。
沈黙は金玉だろ」
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がっ がっ がっ
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北小岩 |
「・・・」
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ばたっ
金蹴りが玉をえぐるが
弟子はチン黙せざるを得ず、
あまりの激痛に悶絶してしまった。
またひとつ、
長老がろくでもないことをしでかした。 |