北小岩 |
「お坊様が走っております」
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だだだだだだっ
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北小岩 |
「あちらにもお坊様が」
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だだだだだっ
ぶにゅっ どたっ べちょっ
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北小岩 |
「あっ!
とてつもなく俊足のお坊様が
糞を踏んで倒れました」
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小林 |
「後頭部に
ついてしまったようやな」
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北小岩 |
「先生!
お坊様たちが
走り回っておりますが
どういうことなのでしょうか」
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小林 |
「師走というこっちゃ」
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北小岩 |
「そうでございました。
師というのは
サオ師のことではなく、
僧侶のことを
さしているようですね」
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小林 |
「サオ師も12月は
走り回っとるかもしれんで」
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北小岩 |
「はっ!
そうかもしれません。
さすが先生でございます!」
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まったくさすがではないであろう。
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小林 |
「今年何か
変わったことがあったか」
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北小岩 |
「特別になかったのですが、
先ほど奇妙な光景を
目にいたしました」
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小林 |
「なんや」
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北小岩 |
「公園で子どもが
地面に落ちている何かを
見つけたらしいのです」
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小林 |
「うむ」
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北小岩 |
「そして顔を近づけました」
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小林 |
「ふむ」
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北小岩 |
「その時に
ぷ〜っという音がしたのです」
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小林 |
「へっ?」
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北小岩 |
「そこからとびきり
臭い屁が放たれたようで、
肺の奥まで吸い込んで
子どもがのたうち回っておりました。
わたくしには理解できません」
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「それはこういうことですよ」
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北小岩 |
「あなたさまは?」
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「この町に落ちている物に詳しい人です。
今年、町では師走になってあわて過ぎたために
ケツの穴を落としてしまったり
忘れてしまったりする者が続出しているのです」
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北小岩 |
「はっ!
先ほどお坊様が
糞を踏んでひっくり返ったのですが、
わたくしがそこを通った時には
ブツはございませんでした。
もしかすると」
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この町
に落ち
ている
物に詳
しい人 |
「それは誰かが落とした
ケツの穴が脱糞したに
違いありません」
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小林 |
「なるほどな。
落とすだけではなく
忘れるヤツもおると言ったな」
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この町
に落ち
ている
物に詳
しい人 |
「昨日私が
電車に乗っておりましたところ、
車内が急に
屁の臭いで満たされたのです。
臭いのもとをたどったら
網棚に
忘れ物のケツの穴数個があったのです。
シートにケツの穴を忘れる者もいて、
そこに座った人は
穴から出たブツがついてしまい
ウンコを漏らしたと
疑われていました」
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小林&
北小岩 |
「・・・」
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師走は何かと忙しいですが、
ケツの穴を落としたり
忘れたりすることだけは避けたいですね。 |