KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百伍拾・・・喪中ハガキ

北小岩 「いってまいります」
小林 「お前、
 自分だけエッチな思いを
 しようとしとるんやないか」
北小岩 「めっそうもございません」
小林 「いやらしいことをするために
 出かけるわけやないんやな」
北小岩 「もちろんでございます。
 年も暮れてまいりましたので
 おじさまのところに
 ご挨拶にうかがうのでございます」
小林 「そうか。
 お前の叔父には
 ごぶさたしとるな」
北小岩 「先生もいかがですか」
小林 「スケジュールは埋まっとるが、
 行ってやってもええな」

先生の今日のスケジュールなど、
右に傾いたおちんちんを左に戻せば
それですべての用が終わりである。
ともかく叔父を訪ねた二人だった。

トントン

北小岩 「入ってますか」

「大便中です」

北小岩 「おじさま、
 お元気そうですね」
叔父 「おお。
 久しぶりだな。
 先生も来たんだな」
小林 「お歳暮や」
叔父 「おお!
 俺のエロ本の好みを
 覚えていてくれたか。
 この角度の開き方がたまんないんだよ」

どうでもいいことなので割愛しよう。

北小岩 「靴箱の上に
 喪中ハガキが
 たくさん置いてありますね」
叔父 「俺の仲間たちも
 歳をとったな」
北小岩 「大勢お亡くなりに
 なったのでございますか」
小林 「違うな。
 ハガキをよく読んでみい。
 これは命がつきたのではなく、
 ちんちんの寿命が終わったことの
 喪中や」
北小岩 「えっ?
 読んでみます。
 『俺も昔はバーバー田中と呼ばれた男だ。
  意味わかんねえかな。
  散髪屋=三発屋。
  毎晩それぐらいの栄華を誇ってたんだ。
  でもここ数年塔が傾き、
  ついに倒れたままになって
  勃ち上がらず。
  そんなわけで喪中だよ』。
 確かにおちんちんが
 亡くなられたようです!」
小林 「他はどや」

北小岩 「え〜と。
 『十年前に孫ができたんだ。
  それでも俺のブツはそそリッチで
  ベッドでヒーヒー言わせてたんだ。
  つまり俺はおじいさんを飛び越え
  ヒーじいさんだったんだよ。
  でもここ数年ちんちんが
  シロアリにでもやられたかのように
  スカスカな感じがして。
  ついに倒れたまま
  起きることがなくなってしまった。
  俺もついに喪中だよ』」
小林 「なるほどな」

北小岩 「あれっ?
 おじさまが持っていらっしゃるのは、
 おじさまが出す
 ハガキでございますね」
叔父 「実は俺も喪中になって」

叔父の喪中ハガキも他の男たちと同じように
まず昔のイチモツ自慢をしてから
喪中を知らせているのであった。

男はよく過去にワルであったことなどないのに
「俺も昔はワルでさ」などとのたまったりするが、
ちんちんのご臨終を知らせる際にも
たいしたことのなかったイチモツを、
盛って伝えたがる生き物である。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2022-12-18-SUN

BACK
戻る