KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百伍拾伍・・・前頭

だら〜ん

小林 「お前、
 もしかすると暇やないか」
北小岩 「そうでございますね。
 先生はいかがでございますか」
小林 「忙しいな。
 これから右に傾いてしまったポールを
 レギュラーポジションである
 左に戻さなあかんからな」

先生の今日一日の予定はそれがすべてである。

「先生、聞きましたか」

小林 「お前は町の奥まで知っとる、
 尿道探流(にょうどうさぐる)やないか」
尿道 「今日我が町に
 大相撲が来るんですよ」
北小岩 「そうなのですか!」
尿道 「三役は来られないのですが
 前頭の力士が勢揃いです」
北小岩 「ぜひ拝見したいです」
尿道 「無料の上に
 特別に対戦できるんです。
 先生と北小岩さんの分も
 予約しておきました」
北小岩 「ありがとうございます!
 力士の方とお相撲がとれるなんて
 夢のようでございます」
尿道 「公園に土俵ができているから
 行ってみましょう」

ダッシュで公園に駆けつけた師弟だったが。

北小岩 「確かに土俵がありますが
 直径が1メートルしかございません」

訳のわからないまま取組が始まった。

小林 「力士たちはまわしをしとるが、
 体の大きさが
 そこらのヤツと変わらんな」
北小岩 「あっ!
 まわしをはずしました」
尿道 「前頭筆頭どうしの闘いです」
北小岩 「あの方々、亀頭が妙に大きいです!」
小林 「なるほどそういうことか。
 ヤツらは『前頭』筆頭ではなく、
 『亀頭(かめがしら)』筆頭や!」
北小岩 「なんと!」

呼び出し 「に〜〜し〜、
 巨まらさ〜ん。
 ひが〜〜し〜、
 きたこ〜いわ〜」
尿道 「北小岩さん、呼び出しです」

弟子は土俵に上がりふんどしをはずした。
相手は亀頭(かめがしら)二枚目で
いいモノを持っているが、
弟子のブツもなかなかで
両者がっぷり四つである。

巨魔羅山(きょまらさん)が若干角度をつけ
行司は軍配をあげたが、
親方衆から物言いがつき
『あびせ亀』で同体引き分けとなった。

呼び出し 「に〜〜し〜、
 すごいんけい〜。
 ひが〜〜し〜、
 こばやし〜」

先生が土俵に上がりふんどしをはずすと、
行司の声がとどろいた。

行司 「みあってみあって!!!」

亀頭(かめがしら)三枚目の凄陰茎が
待ったをかけた。

凄陰茎 「みあうったって
 相手の亀頭が小さすぎて
 見えねえよ」

行司が軍配に先生のブツをのせて
確認しようとするのだが、
ペットボトルのフタぐらいの大きさしかないため
のらない。

行司 「御意!
 不戦勝で
 凄陰茎(すごいんけい)の
 勝ち〜〜〜!!」

それにしても北小岩くんの取組で
物言いをつけた親方衆って
いったい何者なのでしょうか。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2023-01-22-SUN

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