KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百伍拾七・・・レフェリー

ぞろぞろぞろ

北小岩 「最先端研究所女性の方々が
 集まっております」
小林 「危険やな」
北小岩 「さぐってまいりましょうか」
小林 「お前は何という勇者なんや!
 あんなやつらを
 まさぐったりしたら、
 金玉のひとつやふたつではすまんで」
北小岩 「まさぐるとは
 申し上げておりませんし、
 金玉ふたつですまなかった場合、
 予備は持ち合わせておりません」

どうでもいい話なので先に進もう。
そのころ会議室では。

最先端
研究所
女性A
「女性をいやらしい目で見た
 クソ男どもが
 少しでも股間を膨らませたら
 イチモツを蹴り上げていいという
 掟をつくったじゃない」
最先端
研究所
女性B
「当然よね」
最先端
研究所
女性A
「それがさ。
 クソ野郎どもが署名を集めて
 嘆願してきたのよ」
最先端
研究所
女性C
「生意気ね。
 どんなことなの」
最先端
研究所
女性A
「『股間を
  膨らませたかどうかの判断が
  主観的過ぎる。
  例えば風が吹いて
  膨らんで見えることもある。
  それはフェアじゃない!』
 そんな内容ね。
 どうしようか」
最先端
研究所
女性B
「無視すればいいだけの話だけど、
 武士の情けで
 VARを導入してやろうか」
最先端
研究所
女性C
「W杯でも話題になった
 ビデオ・アシスタント
 ・レフェリーね」
最先端
研究所
女性B
「人の目よりも
 細かい判定が正確にできるし、
 もう文句は言わせないわ」

それから数日後、
町の電柱にVAR用のカメラが設置された。
そばで小股の割れあがった女が
超ミニスカートにスケスケパンティで
いやらしいポーズをとっている。

小林 「見てみい!
 スケスケパンティの中身が
 俺たちを呼んどるで!!」

ウー! ウー! ウー!

サイレンが鳴り出した。

どわどわどわ

二人は金玉空手の有段者女たちに取り囲まれた。

金玉
空手の
有段者
「お前股間を膨らませたろ」
小林 「何言うとるんや。
 俺のイチモツは昼寝中や!」

別の有段者がVARのモニターをのぞき込む。

金玉
空手の
有段者
「お前アウトだよ」

北小岩 「そんなことはございません。
 文明の利器を
 お使いのことと存じますが、
 先生のブツは
 ペットボトルのフタぐらいの
 大きさしかありません。
 多少大きくなったところで
 ミクロン単位。
 カメラが気づくわけは
 ないでしょう」
金玉
空手の
有段者
「最先端研究所の女性たちが
 ちんちんが
 0.001ミリ膨らんでも
 検知するシステムを
 つくったんだよ」
小林 「俺はふんどしに
 イチモツを包んどるんや。
 そんな奥までわからんやろ」
金玉
空手の
有段者
「この機械は
 ズボン、パンツ、ふんどしはおろか、
 ペニスケースをつけて歩いていても
 わかるんだよ」
金玉
空手の
有段者
「歯を食いしば、
 もとい、
 金玉を食いしばんな!!」

ガン パーン! ガン パーン!

小林 「うお〜〜〜!」

パーン! というのは
先生の金玉が割れた音である。

町に設置された恐るべきVAR。
何をはいていても逃れることはできない。
とはいえペニスケースをつけて歩いている男は、
あまりいないであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2023-02-05-SUN

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