ぞろぞろぞろ
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北小岩 |
「最先端研究所女性の方々が
集まっております」
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小林 |
「危険やな」
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北小岩 |
「さぐってまいりましょうか」
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小林 |
「お前は何という勇者なんや!
あんなやつらを
まさぐったりしたら、
金玉のひとつやふたつではすまんで」
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北小岩 |
「まさぐるとは
申し上げておりませんし、
金玉ふたつですまなかった場合、
予備は持ち合わせておりません」
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どうでもいい話なので先に進もう。
そのころ会議室では。
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最先端
研究所
女性A |
「女性をいやらしい目で見た
クソ男どもが
少しでも股間を膨らませたら
イチモツを蹴り上げていいという
掟をつくったじゃない」
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最先端
研究所
女性B |
「当然よね」
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最先端
研究所
女性A |
「それがさ。
クソ野郎どもが署名を集めて
嘆願してきたのよ」
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最先端
研究所
女性C |
「生意気ね。
どんなことなの」
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最先端
研究所
女性A |
「『股間を
膨らませたかどうかの判断が
主観的過ぎる。
例えば風が吹いて
膨らんで見えることもある。
それはフェアじゃない!』
そんな内容ね。
どうしようか」
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最先端
研究所
女性B |
「無視すればいいだけの話だけど、
武士の情けで
VARを導入してやろうか」
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最先端
研究所
女性C |
「W杯でも話題になった
ビデオ・アシスタント
・レフェリーね」
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最先端
研究所
女性B |
「人の目よりも
細かい判定が正確にできるし、
もう文句は言わせないわ」
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それから数日後、
町の電柱にVAR用のカメラが設置された。
そばで小股の割れあがった女が
超ミニスカートにスケスケパンティで
いやらしいポーズをとっている。
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小林 |
「見てみい!
スケスケパンティの中身が
俺たちを呼んどるで!!」
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ウー! ウー! ウー!
サイレンが鳴り出した。
どわどわどわ
二人は金玉空手の有段者女たちに取り囲まれた。
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金玉
空手の
有段者
A |
「お前股間を膨らませたろ」
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小林 |
「何言うとるんや。
俺のイチモツは昼寝中や!」
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別の有段者がVARのモニターをのぞき込む。
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金玉
空手の
有段者
B |
「お前アウトだよ」
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北小岩 |
「そんなことはございません。
文明の利器を
お使いのことと存じますが、
先生のブツは
ペットボトルのフタぐらいの
大きさしかありません。
多少大きくなったところで
ミクロン単位。
カメラが気づくわけは
ないでしょう」
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金玉
空手の
有段者
C |
「最先端研究所の女性たちが
ちんちんが
0.001ミリ膨らんでも
検知するシステムを
つくったんだよ」
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小林 |
「俺はふんどしに
イチモツを包んどるんや。
そんな奥までわからんやろ」
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金玉
空手の
有段者
B |
「この機械は
ズボン、パンツ、ふんどしはおろか、
ペニスケースをつけて歩いていても
わかるんだよ」
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金玉
空手の
有段者
A |
「歯を食いしば、
もとい、
金玉を食いしばんな!!」
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ガン パーン! ガン パーン!
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小林 |
「うお〜〜〜!」
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パーン! というのは
先生の金玉が割れた音である。
町に設置された恐るべきVAR。
何をはいていても逃れることはできない。
とはいえペニスケースをつけて歩いている男は、
あまりいないであろう。 |