小林 |
「節分は
ひどい目にあったな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「町役場の女どもも
油断ならんな。
ろくでもないことが
書かれた垂れ幕を
下げやがったからな」
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北小岩 |
「『今年の節分は
嫌いなヤツの金玉が鬼だ!
金玉が滅びるまで
豆をぶつけよう!!』
でしたからね」
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小林 |
「図に乗った女どもが
砲丸に豆と書いて、
俺とお前の金玉に
集中砲火しやがったからな」
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北小岩 |
「『砲丸で睾丸』ですからね」
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弟子が語呂よく決めて
悦に入っているのもつかの間。
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北小岩 |
「あれっ?
町役場の屋上に
女性の人影が見えます」
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小林 |
「嫌な予感しかせんな」
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ばっ
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北小岩 |
「垂れ幕が下がりました」
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『節分の次は玉分!』
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小林 |
「なんや!
玉分(たまぶん)というのは」
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「節分は季節を分けるという
意味があるようですが、
玉分はどうでしょうか」
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北小岩 |
「あなた様は町の事情に地獄耳な
『耳珍歩尻男
(みみちんぽしりお)』さんで
ございますね」
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小林 |
「玉分・・・。
文字通り解釈すれば
玉を分けるということか」
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耳珍歩
尻男 |
「そうですね」
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北小岩 |
「そうですねとおっしゃられても、
具体的にはわからないのですが」
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耳珍歩
尻男 |
「例えばあなたの金玉を
ひとつ取ります。
そして先生の金玉も
ひとつ取ります。
そして取ったあなたの金玉を
先生につけ、
先生の金玉をひとつ
あなたにつけるのです」
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北小岩 |
「そんなことをされたら
玉バランスが取れないでは
ございませんか」
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耳珍歩
尻男 |
「そうです。
私たちの金玉は
人によって大小があるものの
トータルバランスが
とられています。
それが崩壊してしまうのです」
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北小岩 |
「町役場の女性たちは
何を目的に
そんな恐ろしいことを
するのですか!」
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耳珍歩
尻男 |
「探ってみたのですが・・・」
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北小岩 |
「重大な意味があるのですか」
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耳珍歩
尻男 |
「理由は・・・。
笑えるというだけでした」
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小林 |
「そんなことで
俺たちの玉が
分けられてしまうんかい!」
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その後、玉分されて
各自の金玉をひとつつけられてしまった
先生と北小岩くんは。
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小林 |
「片方の金玉だけがでかすぎて
真っ直ぐ歩けん〜〜〜」
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北小岩 |
「先生の金玉を
つけられましたが、
小さすぎて
玉をひとつなくしてしまった
喪失感が漂います〜」
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その他の男たちも。
「片方の金玉だけ子種を異常につくって
もじょもじょ動いて気持ち悪い〜〜〜」
「片方の金玉だけ
鳥がついばみにくる〜〜〜」
金玉をひとつとり他の男につけるマシンは
最先端研究所の女たちが開発したに違いない。
町の女たちは最初のうちは
玉分を面白がっていたのだが
そのうちに飽きてしまったため、
いまだに男たちの玉分されてしまった金玉は
元に戻されていない。 |
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