ひゅ〜
ぶるぶる
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北小岩 |
「暦の上では
もう春でございますが、
まだまだしばれますね」
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ひゅ〜ひゅ〜
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小林 |
「なんやお前。
真っ昼間から
しばられるのが好きとは。
お前のスケベも
新たな段階に突入したな」
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北小岩 |
「あっ、先生。
そうではございません。
しばられではなくしばれ」
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「はい、みんなこっち集まって〜!」
わーわー
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北小岩 |
「幼稚園の先生が
子どもたちを呼んでおります」
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小林 |
「なかなかのべっぴんやないか!」
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ふら〜 ふら〜
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小林 |
「は〜い!」
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先生は呼ばれていないのに、
夢遊病者のように園に近づいていく。
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幼稚園
の先生 |
「今日はうさぎとかめのお話をします」
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小林 |
「は〜い」
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幼稚園
の先生 |
「うさぎさんはかめさんより
とてもあしがはやかったのです。
それでうさぎさんは
かめさんのことを
ばかにしていました。
くやしがったかめさんは
うさぎさんと
きょうそうすることになりました」
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小林 |
「なつかしい話やな」
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北小岩 |
「先生も幼稚園の時、
うさぎとかめの話を
していただいたのですか」
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小林 |
「そうともいえるが、
そうでないともいえるな」
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北小岩 |
「どういうことでしょうか」
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小林 |
「俺が話してしてもらったのは
うさぎと亀やなくて
『うさぎと亀の頭』や」
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北小岩 |
「それは
どんなお話でございますか」
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小林 |
「うさぎに
小ささを馬鹿にされていた
亀の頭が怒って
うさぎと競争することになった」
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北小岩 |
「同じお話ですね」
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小林 |
「うさぎは途中で居眠りして
追い抜かれたんやが、
またすぐに亀の頭を
追い越してしまった」
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北小岩 |
「そうなのでございますか」
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小林 |
「うさぎはゴール寸前で
わざと立ち止まって
亀の頭をおちょくろうと思ったが、
早朝であったため
亀の頭が突然朝だちで伸びて、
結局亀の頭が勝ったという話や」
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北小岩 |
「しょ〜もないお話ですが、
少しばかりうれしい気分です!」
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先生の通った幼稚園の教育方針は
どうなっているのだろうか。
話は変わるが
北小岩くんがしばられるのが好きと
先生に勘違いされていたようだが、
今回亀の話がメインなので、
しばられるとしたら亀甲しばりであろう。
輪をかけてどうでもいいことではあるのだが。 |