KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百六拾四・・・声

ぼ〜っ

北小岩 「先生が
 魂が抜けたようになっております」

ぼ〜っ ぼ〜っ

北小岩 「もしかすると
 エロ成分が
 切れたのかもしれません」

だ〜っ

北小岩 「こちらはわたくし秘蔵の
 エロ本です。
 どうかお使いください!」
小林 「なんや突然?」
北小岩 「先生を拝見しておりましたところ、
 完全にチン小玉を
 抜かれたようになっておりましたので
 エロサプライに参りました」
小林 「気を遣ってくれるのは
 ありがたいが
 エロとは無関係や」
北小岩 「と申しますと」
小林 「俺が高校生の時、
 クラスに大竹林というヤツがおった」
北小岩 「はい」
小林 「放課後にたまたま教室で
 二人っきりになった時、
 そいつがでかい目を
 さらにでかくしてこう言ったんや。
 『今まで黙っていたけど、
  俺は声で窓ガラスを
  割ることができるんだ』」
北小岩 「そうなのでございますか!
 それでいかがでしたか」
小林 「いきなりでかい声を出されて
 鼓膜が破れてしもうたら
 大変やからな。
 曖昧に終わらせてしまったんや」
北小岩 「それは残念でございます」
小林 「俺も後悔しとる。
 だからヤツに再び会って
 声で窓ガラスを割ってもらおうと
 思ってな。
 どこにおるのかわからんから
 町一番の探偵に
 居場所を突き止めてもらったんや」
北小岩 「亜底尾探流(あそこをさぐる)さんに
 お願いしたのですね」
小林 「そうや。
 それで今から
 行ってみようと思うんやが
 お前も来るか。
 鼓膜が破れるかもしれんがな」
北小岩 「ぜひうかがわせていただきます!」

二人は数十キロの道のりを歩き、大竹林のもとを訪れた。

小林 「あそこに佇んどるのがヤツや」

れろれろれろれろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

北小岩 「変な音がしませんか」
声が向
かった
先にい
る女A
「乳首のあたりに
 振動を感じない?」
声が向
かった
先にい
る女B
「なんだかいやらしい周波数で
 いじくられているみたい」
声が向
かった
先にい
る女A
「変になっちゃう!」

小林 「ヤツの声が
 乳首を揺らしとるんや!」

もみもみもみ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

声が向
かった
先にい
る女A
「今度は股間に
 振動を感じない?」
声が向
かった
先にい
る女B
「あそこが揉まれているようね」
声が向
かった
先にい
る女A
「どうにかなっちゃう!」

小林 「大竹林のヤツ、
 今でも声を活かしとるんやな」
北小岩 「使い方が微妙ではございますが、
 数十年も声を大切にされていて
 わたくし感動いたしました」

声で窓ガラスを割る男は、
長い年月を経て声で秘所をくすぐる男になっていた。
ガラスを割るよりは、
幸せな人生を歩んでいるといっても
過言ではないだろう。

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2023-03-26-SUN

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