KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百六拾六・・・踏む

「郵便で〜す」

北小岩 「ありがとうございま〜す。
 何でございましょうか」

ビリビリ

北小岩 「なるほど」
小林 「袋とじのえげつないエロ写真を
 独り占めしようとしとるな」
北小岩 「あっ、先生。
 そうではございません。
 これは
 『町の男の夢プロジェクト』の
 お知らせでございます」
小林 「なんやそれは?
 昇天するほど
 気持ちええ思いを
 させてくれるんか」
北小岩 「そうではなく、
 町の男性たちがやってみたい夢を
 発明家がかなえてくれる
 プロジェクトらしいです。
 先生もこのアンケートに
 お答えください。
 最多得票のものが
 実現されます」
小林 「マイドリームは壮大やからな。
 そんな夢を持つヤツは
 俺しかおらんやろ」

アンケートはすぐに回収され
発明家は制作にとりかかった。
そして一週間後・・・。

「お荷物で〜す」

北小岩 「ありがとうございま〜す。
 先生、
 不思議なスプレーが届きました」
小林 「なになに。
 『これをおならにかけると
  外側が膜となり、
  おならがボール状になります。
  そうしたら踏んだり
  手でパンと割って
  自分のおならの香りを
  お楽しみください』」
北小岩 「アンケート結果も入っています。
 自由記入にもかかわらず
 『おならボールを踏んでみたい』
 という夢が
 69名で一番だったそうです」
小林 「俺もそう書いたな。
 お前は?」
北小岩 「わたくしもでございます」
小林 「やってみるか」

ぷ〜 シュッ

北小岩 「先生のおならが
 大きいシャボン玉のように
 なりました」

ぷ〜 シュッ

小林 「お前の屁も
 透明なヨーヨーのように
 なったな。
 己の屁玉を
 踏んでみようやないか」

ぐしゃっ ぷ〜

小林 「確かに俺の屁や。
 アロマのようなええ香りや」


ぐしゃっ ぷ〜

北小岩 「わたくしの
 かわいいおならさんでございます。
 焼きたてのトーストのように
 香ばしいです」
小林 「あそこにおるヤツの屁も
 ボールにしてみるか」

すっ〜 シュッ

小林 「すかしっ屁こきやがったが
 それでも球状になったな」

くるっ

「なんだお前は」

小林 「げっ!
 野郎かと思ったら
 金玉空手有段者女やないか」
金玉空手
有段者女
「お前、
 人の屁に
 なんか細工しただろ」
小林 「いいがかりや」

その刹那、走ってきた糞ガキが
金玉空手有段者女の屁玉を踏んでしまった。

ぐしゃっ ぷ〜っ

町の
糞ガキ
「何だ?んっ」

くんくん

町の
糞ガキ
「臭え〜〜〜!
 腐った屁だ〜〜〜!!」
金玉空手
有段者女
「私に恥を
 かかせやがったな!」
小林 「あの糞ガキがやろ」
金玉空手
有段者女
「お前がだよ。
 くらえ!」

がっ ぐしゃっ

小林 「うお〜〜〜!」

しくしく

つぶれた先生の金玉からは悲しい香りがした。
 

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2023-04-09-SUN

BACK
戻る