KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百六拾九・・・輪っか

北小岩 「特に今の季節、
 お散歩は気持ちいいでございます。
 スピードも上がってまいります」

たったったったっ キキーッ

北小岩 「危ないでございます!
 見たこともないほど
 巨大なウンコがあり、
 正面衝突するところでした。
 この場を去るのは
 残念でございますが、
 後100メートルで
 お散歩の折り返し地点でございます。
 帰りにまた観察してみましょう」


たったったっ

北小岩 「やはりあれだけのブツは
 今後遭遇することが
 ないかもしれません。
 引き返してみます」

がら〜ん

北小岩 「おかしいでございます。
 跡形もございません」
小林 「お前、
 何キョロキョロしとるんや。
 使用済みパンティなど
 落ちとらんで」
北小岩 「あっ、先生。
 30秒前までそこにあった
 大ウンが
 突然なくなったのでございます」
小林 「なるほどな。
 さっき
 外に落ちているウンコの専門家
 ・運子漏良州(うんこもらす)に
 会ってな。
 ヤツの話だと
 町の糞が盗難されとるらしい。
 クセ者よりたちの悪い
 『クソ者』が紛れ込んでおって
 素早く盗んでしまうんや。
 それではいざという時に
 町の燃料が
 足りなくなってしまうから、
 捕まえてくれと頼まれとる」
北小岩 「あそこがにおいませんか!」
小林 「見つけたな。
 行くで!」

だだっ すこっ すこっ

小林 「お前も俺も
 下駄が脱げてしもうたが、
 気にせず裸足で追うんや」
北小岩 「かしこまりました。
 むっ、追い詰めましたね。
 逃がしませんよ」

びゅびゅびゅびゅ
どどどどどどどどどどどどどどど

北小岩 「大量にクソを投げてきます!」
小林 「しまった!
 半径5メートルの
 糞の輪に閉じ込められた」

ずるっ べちゃっ

北小岩 「わたくし、動揺して
 黄金の上に
 倒れてしまいました!」
小林 「すでについたまま
 寝転がっとるということは、
 お前が橋になり
 俺が糞の大河を
 渡ってもええというこっちゃな」
北小岩 「そんなことはございま」

むぎゅっ

先生は弟子を踏みつけ
自分だけが助かろうとした。

北小岩 「いくらなんでもひどすぎます!」

くるっ

小林 「うっ、うお〜〜〜!」

べちょべちょ

弟子がカラダを反転させると、
先生は臭いたつ大河に顔から落ちていった。

それにしても瞬時に
半径5メートルの糞の輪を
つくるなどという所業は、
有史以来例をみないであろう。

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2023-04-30-SUN

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