北小岩 |
「特に今の季節、
お散歩は気持ちいいでございます。
スピードも上がってまいります」
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たったったったっ キキーッ
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北小岩 |
「危ないでございます!
見たこともないほど
巨大なウンコがあり、
正面衝突するところでした。
この場を去るのは
残念でございますが、
後100メートルで
お散歩の折り返し地点でございます。
帰りにまた観察してみましょう」
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たったったっ
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北小岩 |
「やはりあれだけのブツは
今後遭遇することが
ないかもしれません。
引き返してみます」
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がら〜ん
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北小岩 |
「おかしいでございます。
跡形もございません」
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小林 |
「お前、
何キョロキョロしとるんや。
使用済みパンティなど
落ちとらんで」
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北小岩 |
「あっ、先生。
30秒前までそこにあった
大ウンが
突然なくなったのでございます」
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小林 |
「なるほどな。
さっき
外に落ちているウンコの専門家
・運子漏良州(うんこもらす)に
会ってな。
ヤツの話だと
町の糞が盗難されとるらしい。
クセ者よりたちの悪い
『クソ者』が紛れ込んでおって
素早く盗んでしまうんや。
それではいざという時に
町の燃料が
足りなくなってしまうから、
捕まえてくれと頼まれとる」
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北小岩 |
「あそこがにおいませんか!」
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小林 |
「見つけたな。
行くで!」
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だだっ すこっ すこっ
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小林 |
「お前も俺も
下駄が脱げてしもうたが、
気にせず裸足で追うんや」
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北小岩 |
「かしこまりました。
むっ、追い詰めましたね。
逃がしませんよ」
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びゅびゅびゅびゅ
どどどどどどどどどどどどどどど
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北小岩 |
「大量にクソを投げてきます!」
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小林 |
「しまった!
半径5メートルの
糞の輪に閉じ込められた」
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ずるっ べちゃっ
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北小岩 |
「わたくし、動揺して
黄金の上に
倒れてしまいました!」
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小林 |
「すでについたまま
寝転がっとるということは、
お前が橋になり
俺が糞の大河を
渡ってもええというこっちゃな」
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北小岩 |
「そんなことはございま」
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むぎゅっ
先生は弟子を踏みつけ
自分だけが助かろうとした。
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北小岩 |
「いくらなんでもひどすぎます!」
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くるっ
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小林 |
「うっ、うお〜〜〜!」
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べちょべちょ
弟子がカラダを反転させると、
先生は臭いたつ大河に顔から落ちていった。
それにしても瞬時に
半径5メートルの糞の輪を
つくるなどという所業は、
有史以来例をみないであろう。 |