KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百七拾・・・キャンプの木

す〜〜〜

小林 「空気がうまいな」

ざざ〜〜〜

北小岩 「清流も雅でございます」
社長 「気に入ってもらえたかな」
北小岩 「いつもいい思いをさせていただき
 ありがとうございます!」

先生と北小岩くんの所持金は一人2円。
二人合わせても4円しかなく、
旅に出るときは徒歩であり野宿となる。
しかし、今回は社長に
風光明媚な川沿いのキャンプ場に
連れてきていただいたのだ。

先生は社長からエロ本市で
掘り出し物を発掘することを懇願され、
常に期待以上のえげつないものを
手に入れてきている。
その慰労なのである。

ぷっ

小林 「お前、
 大自然を汚すような
 小さい屁をこいたな」
北小岩 「わたくしではございません」

ぷっ

小林 「お前以外に考えられん」
北小岩 「わたくしのお尻の穴は
 まだボケてはおりません」
社長 「北小岩さんじゃありませんよ」
北小岩 「わたくしではないことは
 明らかなのですが、
 となると果たしてどなたが?」
社長 「この木ですよ。
 これは『こなら』といって
 とても小さな屁をかまします」
小林 「いまいちなさけない
 北小岩のような存在やな」

北小岩 「お言葉でございますが、
 わたくしは先生の屁のように
 デリカシーなく
 巨音をさせてはおりませんが、
 本気を出すと
 肛門が20倍に広がり、
 先生の屁など足元に、
 もといアヌス元に及ばぬほどの」

ぶっ ぶっ

小林 「さっきより
 少し大きな屁の音や。
 そこはかとなく
 屁の香りもしてきたな」
社長 「今のは
 こならの隣にある
 『おなら』の木ですね」
北小岩 「『おなら』の木がございますこと
 初めてうかがいました」
小林 「おならを名乗るほどの
 勢いはないわな」

ぶっ ぶぶ〜 ぶ〜ぶ〜

小林 「むっ!
 今度のはさっきのやつより
 鼻応えがある屁や」
社長 「おならの木の隣にある
 『臭いおならの木』です」
小林 「だがまだまだやな」

ぶぶ〜 ぶりぶりぶり
ぶぶぶぶぶ〜 ぶりぶりぶり

小林 「なんやこれは!
 うっ!
 めまいがしてきた!!」
北小岩 「わたくしも
 肺の奥まで
 吸い込んでしまいました!」
小林&
北小岩
「ううう〜!!!」
社長 「これは臭いおならの木の隣にある
 『世界が終わるほど
  臭いおならの木』です。
 大丈夫ですか」

ばたっ ばたっ ぴくぴく

その後師弟は病院送りとなった。

こうして先生と北小岩くんのキャンプは、
有史以来の臭い屁を嗅いだだけで
終わってしまった。
 

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2023-05-07-SUN

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