ぴゅ〜
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北小岩 |
「隙間風でございます。
早朝は冷えるでございます」
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ぴゅ〜 ぴゅ〜
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北小岩 |
「紙のように薄い毛布一枚では
限界がございます。
身の回りにあるものをのせて
暖の足しにいたしましょう」
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ばっ ばっ ばっ
弟子は極薄毛布の上に、
ちらし、茶筒、雑巾、すりこぎ、孫の手などを
手当たり次第にのせて毛布にくるまった。
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小林 |
「お前、
みのむしみたいやぞ。
それとも新しい変態プレイか」
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北小岩 |
「そうではございません。
隙間風に
耐えるためでございます。
先生は今、
みのむしとおっしゃいました。
わたくし幼少の頃、
みのむしさんを探すのを
何よりの楽しみにしておりました。
しかし、近頃すっかり
目にすることが
なくなってしまいました。
さみしくてしかたございません」
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小林 |
「それは俺も感じとった」
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北小岩 |
「なぜでございましょうか」
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小林 |
「ようわからんな。
みのむしの専門家で、
陰嚢虫下蛾留
(いんのうむし・さがる)という
男がおる。
聞きにいくか」
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北小岩 |
「『みのむし』さんと
『いんのうむし』さんは、
お名前が
瓜二つでございます。
ぜひうかがいましょう」
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まったく似ているとは思わないが、
ともかく二人は陰嚢虫氏のもとを訪れた。
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北小岩 |
「わたくし、ここ何年も
みのむしさんに
会うことができずに
とても悲しい思いを
しております。
何が原因なので
ございましょうか」
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陰嚢虫 |
「外来種の寄生バエに
壊滅的にやられてしまったと
いわれています」
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北小岩 |
「そうなのでございますか。
わたくしたちの町では
もう会うことは
できないのでしょうか」
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陰嚢虫 |
「そうとも言い切れないのですよ。
まだ確かめていないのですが、
夜になると
巨大なみのむしが出現する
という噂なのですよ」
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北小岩 |
「ぜひ場所をお教えください!」
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夜になり師弟がそこで見たものは。
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北小岩 |
「銭湯の横にある大木に
みのむしさんが
ぶら下がっております」
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小林 |
「みのむしにしてはでかすぎる。
目ん玉を金玉のようにして
よく見てみい。
みのむしは枝や葉をかき集めて
巣をつくるが、
この巣は
エロ本のページをかき集めて
つくっとる」
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その刹那、みの上方の窓が開いた。
にょき
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北小岩 |
「あっ、
幼虫さんが
出てくるのかと思ったら
おじさんの顔が出てきました。
あれはみのむしさんではなく
『みのおじさん』でございます」
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小林 |
「それも銭湯上部の窓から
女風呂をのぞいとる。
のぞきの新戦法や。
なるほどな。
俺もやったるで〜〜〜!」
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翌日夜、みのむしに変装した先生が
大木からぶら下がっている。
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小林 |
「小股の割れ上がった
おなごが入っていった。
そろそろのぞきタイムや」
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ぱっ
顔を出したタイミングが最悪だった。
そばを歩いていたのがあの恐ろしき。
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お仕置
き隊員
A |
「何あれ!
のぞきの変態じゃない」
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お仕置
き隊員
B |
「撃ち落とさなきゃ!」
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びゅっ ぐさっ ぴゅっ ぷちっ
一の矢(毒矢)がみのを貫き、
二の矢が巣の糸を切った。
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小林 |
「やばい!」
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ひゅ〜 どた
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お仕置
き隊員
A |
「お前が出すのは
顔じゃなくてここなんだよ!」
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ジョキジョキ
先生みのむしの股間に窓をつける。
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お仕置
き隊員
B |
「熱湯を大量に持ってきて!」
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大声で叫ぶと
他の隊員がバケツで女湯から
煮えたぎる湯を運んだ。
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お仕置
き隊員
A |
「ここにぶちまけて!」
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小林 |
「なんやと! うう」
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先生は毒がまわり動けない。
ざば〜 ざば〜〜
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小林 |
「あちい〜〜〜!
ちんちんが〜〜〜!!」
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熱湯で赤くただれた先生のブツは、
それから数週間赤ちんと呼ばれました。 |