ざっざっ
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小林 |
「秋の散歩は気持ちええな。
銀杏も色づいてきたな」
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ぽこっ
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北小岩 |
「こんなところに
不思議な穴が開いております。
蟻地獄さんでございましょうか」
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エロエロ
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小林 |
「むっ、
裸体のおなごに見える
カマキリのようなものが
顔を出したな」
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北小岩 |
「何という虫さんで
ございましょうか」
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「それは
三代目カマキリ夫人と
呼ばれている虫だよ」
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北小岩 |
「そうなのでございますか。
昆虫にお詳しそうですが
あなた様は?」
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「俺は蟻門渡(ありとわたる)という
昆虫学者だよ」
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小林 |
「穴の中の虫を目にした時、
男として危機を感じたんやが
どういうこっちゃ」
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蟻門渡 |
「三代目カマキリ夫人は
恐ろしい虫で、
穴に落ちたおちんちんを
食べてしまうんだ。
『チン地獄』と
呼ばれているよ」
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ずりずりずり
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北小岩 |
「向こうから
おちんちんが
這ってまいりました」
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ずずっ
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小林 |
「落ちてしもうた」
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ざざざざざっ
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北小岩 |
「おちんちんさんが懸命に
這いだそうとしております」
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びゅっ ずるん
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蟻門渡 |
「三代目が
ヌルヌル液を出して
ちんちんが再び落ちた」
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がっ
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北小岩 |
「鎌でガッチリつかまれました」
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むしゃむしゃ
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小林 |
「ちんちんが
食われとる・・・。
男として見てられん・・・」
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ずっ
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蟻門渡 |
「食い尽くした三代目が
砂にもぐった。
これから成体になるぞ」
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北小岩 |
「蟻地獄さんの成虫は、
はかなげな
ウスバカゲロウさんです。
三代目カマキリ婦人は
何になるのでしょうか」
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蟻門渡 |
「砂の中から飛び出してくるので
よく見てなさい」
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ぴょん
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北小岩 |
「出てまいりました!」
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小林 |
「なんやこれは!
ハマグリやないか」
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蟻門渡 |
「そうなんです。
三代目カマキリ夫人の成体は
ハマグリなのです」
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にょろ〜 にょろ〜
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北小岩 |
「いやらしい管を出して
誘惑しております」
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おちんちんを食べた夫人は
変態するとハマグリになる。
恐ろしい結末ではあるが、
二代目カマキリ夫人が何者なのか、
そこも気になるところである。 |