KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百九拾九・・・マネキン

小林 「デパートを訪れるのは
 何年ぶりやろな」
北小岩 「以前はしつこく
 試食をあさりましたね」
百貨店
のエロ
社長
「試食と言わずに
 今日は何でも好きなものを
 ごちそうさせていただきますよ」

先生の全財産は2円。弟子の全財産も2円。
合計4円なので買物はできないのだが、
えげつないエロ本を斡旋することで
百貨店の社長とも懇意なのである。

百貨店
のエロ
社長
「デリカだけじゃなく
 いろいろ見てくださいね」

師弟は物がない生活が基本なので
興味のあるものはほとんどないのであるが。

小林 「おなごのパンティ売り場に
 直撃や!」
北小岩 「名案でございます!」

だだだだっ

猛然とダッシュをかける。

小林 「ここか?」
北小岩 「男性用下着コーナーのようです」
小林 「汚らわしいな」
北小岩 「それにしては
 単独の女性が
 多い気がいたします」

とろ〜ん

小林 「目がとろけとるな」
北小岩 「男性用ブリーフを
 はいているマネキンが
 三体ございます」
小林 「むっ!
 一体は竿が、
 一体は玉が、
 一体は毛が、
 妙に盛り上がっとらんか」
北小岩 「いったいどうしたのでしょうか」
百貨店
のエロ
社長
「実はこのフロアで
 怪奇現象が起きているんですよ」
北小岩 「もっこり具合と
 関係あるのですか」
百貨店
のエロ
社長
「モロにそうですね。
 ブリーフの中身が好きな女性には
 三種類の方がいらっしゃいます。
 竿LOVE。
 玉LOVE。
 毛LOVEです。
 左のマネキンは
 私たちが何も手を加えていないのに
 日々竿が伸びています」
北小岩 「なんと!」
百貨店
のエロ
社長
「真ん中のマネキンは玉が、
 右のマネキンは毛が伸びています。
 女性たちは敏感で、
 インフォメーションを
 出していないのに
 日々の成長に気づき、
 毎日愛でにまいります」
小林 「それぞれのマネキンに親衛隊、
 もとい、
 チン衛隊がついとるんやな」
竿LOVE

玉LOVE

毛LOVE
「テン、ナイン、エイト・・・」

北小岩 「いっせいに
 カウントダウンが始まりました」
竿LOVE

玉LOVE

毛LOVE
「スリー、ツー、ワン、ゼロ!!!」

ぴょこ! ぴょこ! ぴょこ!

小林 「むむっ!
 一体はブリーフの上部から竿が、
 一体は下部から玉が、
 一体は横から毛がはみ出した!!」

パチッ! パチッ! パチッ!

竿LOVE&玉LOVE&毛LOVEの
女性たちはハイタッチを交わした。

百貨店
のエロ
社長
「はみ出して
 おめでとうございます!」


社長はあけましておめでとうございます!
の節で祝福した。

髪が伸びる人形の怪異は各地に伝わり、
時に人々を震え上がらせる。
しかし、このマネキンのように、
竿が伸びたり玉が伸びたり陰毛が伸びたりしても
まったく怖くなく、
それどころが笑ってしまうのはなぜであろう。

エロ社長の百貨店の物体は、
実はマネキンではなく
タマキンだからなのかもしれない。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
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2023-11-26-SUN

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