小林秀雄、あはれといふこと。

その拾四・・・秋の虫

秋になると庭や野原で、鈴虫やコオロギに混ざって
こんなにかわいい虫たちが、美しい声を聞かせてくれます。
大人も子供もじっと耳をすまして、
秋の夜長をお楽しみください。

タンゴ虫 1・タンゴ虫
庭の石をそっとどかしてみましょう。
ほらね、そこには陽気なタンゴ虫が。
ダンゴ虫にそっくりですが、
二匹でなかよく
アルゼンチン・タンゴを
踊っているので、
すぐにわかります。
昆虫界きっての社交家です。
2・鐘虫
鈴虫が永遠のライバル。
負けず嫌いのあまり
どんどん進化を続け、
このような姿になりました。
派手好きなので
羽をこすって鳴かずに、
自分で鐘をついて音を出します。
お寺もないのに野原で
ゴーンという大きな音がしたら、
それは鐘虫の鳴き声です。
鐘虫
カマキリ夫人 3・カマキリ夫人
特殊なフェロモンを出すので要注意。
細い体に巨乳という擬態を使い、
近づいた男は
すぐに食われてしまいます。
別名、男喰い。
秋の磯辺には
潮吹き夫人という
イソギンチャクがいて、
カマキリ夫人とは親友です。
4・ペニ車
12センチの大砲を持つ甲虫。
興奮しやすい虫なので、
むやみに手で触って
刺激するのはやめましょう。
個体によって、
大きさに差があります。
ペニ車
痔の神様 5・痔の神様
体長が20メートルもある
世界最大級の虫。
やおよろずの神がいる
日本ですが、
この虫は痔の神様として
崇められています。
大きすぎて
自分では動けないので、
山車のように人間が引いて
動かします。
6・さるぐつわ虫
もともとくつわ虫の一種ですが
「ハアハアハア、ウッ!」
などというとんでもない
鳴き方をするので、
さるぐつわをはめられてしまった
悲劇の虫です。
見つけたらさるぐつわを外して
声を鑑賞し、
聞き終わったら
忘れずにさるぐつわをして
帰りましょう。
さるぐつわ虫
犬ふぐり 7・犬ふぐり
犬に似た虫。
巨大なふぐりを引きずって、
野山を散歩しています。
8・プッシー・ワーム
子供の図鑑に掲載が
禁止されているため
知らない人も多いのですが、
大人の図鑑には
必ず載っています。
口から涎を垂らしていることも
多いみたいです。
プッシー・ワーム
にぎりっ屁ベートーベン 9・にぎりっ屁ベートーベン
「♪ププププ〜ププププ〜」と
「運命」の旋律の屁をこいて
追いかけてきます。
音楽的評価が高い虫です。
10・写楽の市川海老蔵
ビジュアル系の虫。
謎が多く、まだ生態が
よくわかっていません。
写楽の市川海老蔵
アソコにつくつくぼうし 11・アソコに
つくつくぼうし

女性の秘所にとまって鳴く
伝説のセミ。
「おいしいつくつく、
おいしいつくつく」と鳴きますが、
20秒ほどでいってしまいます。

北小岩「先生、虫らくしないものが
    いっぱい混ざっていませんか?」

小林先生「まあ、大目に見とこうか。実りの秋やし」

まったく、何の実りもない秋の昆虫図鑑であった。

1998-09-07-MON

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