小林秀雄のあはれといふこと

しみじみとした趣に満ちた言葉の国、日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。

其の参拾七・・・聖火

シドニーオリンピックは、
キャシー・フリーマン選手の感動的な聖火で幕を開けた。
それは世界の希望の炎だった。
その熱い舞台を観ながら、
小林先生と弟子の北小岩くんも
テレビの前で涙を浮かべていた。


弟子 「先生、それにしても劇的な聖火リレーでしたね」
小林 「そうやな。
オリンピックの発祥地ギリシャで点火した聖火が、
オーストラリアまで
周辺国を経由しながらやって来たんや」
弟子 「ミクロネシア連邦での最終ランナーは、
副大統領のレチリ・キリオンさんが
カヌーに乗ってつとめたのですね」
小林 「うむ。他にもダイバーがトーチを持って
海底洞窟みたいなところに潜っていたなあ」
弟子 「オーストラリアでは聖火の消化を図られたり、
トーチを強奪されそうになったり、ご難続きでしたね」
小林 「よく無事にスタジアムまでたどりついたもんや。
だがな、そういう経験をつんでこそ
聖火はひと回りもふた回りも大きくなり、
輝きをますんやで」
弟子 「なるほど」
小林 「ところでどうや?」
弟子 「と申しますと・・・」
小林 「こんなにいろいろな方法で
聖火リレーが行なわれているのに、
あの人たちが黙っているわけがないというこっちゃ」
弟子 「・・・?」
小林 「ヒントは、ぺや」
弟子 「ぺ・・・・。
はっ!もしかしたら
ニューギニアの方々のペニスケースですか!」
小林 「お前もなかなか鋭くなってきたようやな」
弟子 「確かに私たちの回りだけの噂ですが、
ニューギニアの方々がペニスケースに点火し、
ペニスケースをトーチにして
聖火リレーに参加したのではないかといわれています」
小林 「そうや!男の命をかけた聖火リレーや。
ペニスケースはひょうたんの一種からつくられている。
そこに火がついたと思いねえ」
弟子 「そうですね。
チリチリと音を立てながら火がイチモツに迫ってきます」
小林 「ペニスケースに火がついた男の足は速いで。
100メートル10秒フラットぐらいはいくかもしれん。
そして聖火が男自身に点火する前に、
全速力で他の人のペニスケースに点火するというわけや」
弟子 「もし火の回りがはやくて
イチモツに火がついてしまったら、
その人はペニスケースを外してしまうのですか?」
小林 「甘いな、北小岩。
ペニスケースは誇り高きものなんや。
外れただけでも、
それは先祖末代までの恥とされるんやで」
弟子 「そうでしたか。
となればまさしく魂の聖火リレーですね」
小林 「そうや。
それにペニスケースは種族によって、
かなり違うという話や」
弟子 「そうなんですか」
小林 「太くて大きいものが好きな種族もいれば、
小さく曲がったものを好む種族もいる。
長いものをしている人たちもいる。
だから、他の種族のペニスケースへの点火は
テクニックがいるんや」
弟子 「うへ〜。ところで先生は、
どんなペニスケースがお好みなのですか?」
小林 「そうやな。
オレやったら、太くて長くてでかくて
いい感じにそったものや。
黒光りした猛々しいものがええなあ。
とっ、何をいわせるんや!」
弟子 「すっ、すみません」
小林 「とにかく、シドニーオリンピックの聖火リレーには、
あえて触れられなかった
命のやりとりがあったのではないか、
とまあそういうことやな」
弟子 「恐れ入りました」


聖火の翌日、田村亮子選手の金メダル獲得で、
日本は幸せな一日を過ごした。
だがこの二人には、
感動シーンなど観せるだけムダである。

2000-09-25-MON

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