北小岩 |
「先生、どこに行かれるのですか?」 |
小林 |
「ボランティアや」 |
北小岩 |
「えっ!
先生はこんなにお忙しい毎日なのに、
ボランティアまでされていたのですか。
お願いです。
ぜひ、私も参加させてください!」 |
小林 |
「仕方ないなあ。
まあ、来てもええが、
足手まといになるなよ」 |
小林先生は、この数ヶ月間
ボランティアに精を出していたらしい。
今日は弟子の北小岩くんを連れていくことにする。
しばらく歩くと、路地に人影が見えた。
制服の青年が、
ブラジャーをマスクにした強面おじさんに
にらまれている。
今にも泣き出しそうだ。
|
北小岩 |
「先生、大変です。
高校生が恐喝されています!」 |
小林 |
「ん?あれか。
あれは恐喝やない。
童貞つぶしや。
あそこにいるのは、
『童貞つぶしの兄貴』や」 |
北小岩 |
「童貞つぶし?
いったいそれは何ですか」 |
小林 |
「童貞のヤツにな、
いかにSEXが恐ろしいものかを
大げさに伝えるんや」 |
北小岩 |
「そんなことをして何になるのですか」 |
小林 |
「兄貴のお話を聞いた青年はな、
SEXするのが怖くなって
初体験がかなり遅くなる。
つまり、童貞のうちに
芽をつまれてしまうというこっちゃ。
近頃は初体験の若年化が進みすぎている。
若いうちからええ思いをさせてはあかん。
俺のボランティア活動というのは、
童貞つぶしの補佐なんや。
兄貴は初体験がとんでもなく遅い上に、
素人童貞と呼ばれる性の苦労人や。
そんなわけやから、
兄貴の説教は魂がこもっとるで」 |
いつの間にか小林先生も、
ブラジャーをマスクにして、
ヒナのように震えている高校生に近づいた。
童貞つぶしの兄貴は、
ブラジャーをはずすと凄みのある声で吠えた。 |
兄貴 |
「なあ、兄ちゃんよ。
SEXしたことあるのか?」 |
高校生 |
「ありません」 |
兄貴 |
「そうか。ほっとしたぜ。
SEXはほんとうに怖えからな。
女のアソコには、
万力(まんりき)という
恐るべき力がある。
それでぎりぎり締め上げてくる。
俺のちんぽをよく見てみな。
もう少しで
引きちぎられるところだったんだぜ」 |
童貞つぶしの兄貴は、
子供の頃チャックで挟んで
傷つけてしまったちんぽを、
グイッと取り出して見せつける。 |
小林 |
「そうや。
初めて挿入する時にはな、
ちんぽの先から血が飛びでるんや。
俺なんかそれがクセになってしまい、
リンゴを齧っただけで
ちんぽから
血が出るようになってしまったんやで!」
|
先生がすかさずたたみかける。
いたいけな高校生は顔をしかめ、股間を握り締めた。 |
兄貴 |
「くれぐれも、
SEXしようなんて
気を起こすんじゃねえぞ。
なにせ、あそこに3分以上入っていると、
ちんぽは窒息死して腐ってくるからな」 |
兄貴がだめ押ししている間に、
先生が北小岩くんに耳打ちした。 |
小林 |
「なあ、お前も若い時に
いい思いしてないやろ。
そんならここで一発かましてみい!」 |
先生に促され、
北小岩くんもボランティア活動を開始した。 |
北小岩 |
「そこのお若い方、
SEXは男の人生を左右してしまいます。
あげまんとかさげまんとか、
あなたも聞いたことがあるでしょう。
さげまんはいただけませんが、
あんまんや肉まんなら
かなりおいしいですよね。
ですから、もしも召し上がるのなら
あんまんや肉まんにした方が
よさそうですよ」 |
小林 |
「・・・・北小岩。
お前にはまだボランティアはつとまらん。
下がっていなさい。
おう、そこの若いの。
10代のうちから
肉体をむさぼろうなどと
思ってはあかんで。
女性を満足させられないとな、
金玉におあげをかぶせられてしまうんや!
つまり、文字通りのおいなりさんに
されてしまうんやで!!」 |
兄貴 |
「そうだ。
金玉のおいなりさんはな、
世界中の女性から軽蔑の念を持って
お参りされてしまうんだからな!」 |
先生と兄貴が息をもつかせぬ勢いで
童貞つぶしをすると、
高校生のつぶらな瞳から涙がこぼれた。 |
高校生 |
「ぼっ、ぼく、結婚するまで
絶対にSEXはしません!」 |
それを聞くと、兄貴の口調が急にやさしくなった。 |
兄貴 |
「そうか、わかってくれればいいんだ」 |
小林 |
「そうやな、
まあSEX抜きの
楽しい高校生活を送ってくれや」
|
小林先生が高校生の肩をポンと叩いた。
彼は涙をぬぐいながら深々と頭を下げ、
走り去った。 |
北小岩 |
「先生、とても有意義な
ボランティアでございました!」 |
小林 |
「うむ」
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