小林秀雄のあはれといふこと

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。

其の六拾弐・・・・体操

「いち、に、さん、し」
「ご、ろく、しち、はち」

爽やかな声が書斎に響き渡る。
小林先生と弟子の北小岩くんは、
3時のラジオ体操を日課にしている。

「ふう~、気持ちええなあ。
 さあ北小岩、お茶にしようか」

ラジオ体操が終わったので、
お茶の間に移ろうとしたその時だった。
ラジオから怪しげな尺八の音が響いてきた。
体操のお姉さん 『職場のみなさ~ん、ご家庭のみなさ~ん、
 もっこりしてますか~!
 それでは、大人のラジオ体操の時間で~す。
 アッハ~ン』

悩ましげな声でお姉さんが言った。
小林 「なんや、これは?」
北小岩 「わかりませんが、
 わたくしちょっぴり興奮してまいりました!」
体操のお姉さん 『それではラジオ体操第三で~す!
 部屋の窓を開け放ち、
 パンツをおろしてください!
 早くするのよ、そこのひよこちゃ~ん』
北小岩 「先生、ひよこちゃんというのは
 私たちのことですか?」
小林 「どうやらそうらしいな。
 となれば、急いでパンツをおろさなあかんで」
二人がパンツを放り投げると、
「ひよこ」というより、
黒ずんだ「みにくいあひるの子」が
こんにちはをした。
体操のお姉さん 『それではおしりの山をつかんで、
 やまびこの運動よ!
 おしりの山を外に、内に、外に、内に。
 はい、やっほ~!』
小林&北小岩 「やっほ~!」
体操のお姉さん 『やっほ~!』
小林&北小岩 「やっほ~!」
体操のお姉さん 『乳首にふれるかふれないかのやさしいタッチで!
 あら、いや~ん!!』
小林&北小岩 「いや~ん!」
体操のお姉さん 『いや~ん!』
小林&北小岩 「いや~ん!」
体操のお姉さん 『イチモツをむんずとつかんで、
 大きく上下させて、カツオの一本釣り!
 そ~れ、大漁で~す!』
小林&北小岩 「大漁で~す!」
体操のお姉さん 『大漁で~す!』
小林&北小岩 「大漁で~す!」
体操のお姉さん 『みんな!もっこりしてきたかな~』
小林&北小岩 「は~い!」
体操のお姉さん 『では蟻の門渡りを、
 人差し指と薬指がいったりきたり!』
小林&北小岩 「いったりきたり!」
体操のお姉さん 『いったりきたり!』
小林&北小岩 「いったりきたり」
体操のお姉さん 『はい、よくできました。
 今日はここまでよ~ん!』
小林&北小岩 「えっ、もう終わっちゃうんですか~!」
体操のお姉さん 『続きはまた明日ね。
 それまでいい子にしてるのよ、
 私のひ・よ・こ・ちゃん!
 これで大人のラジオ体操を終わりま~す。
 担当はカント、
 尺八はスロート・めぐみでした!
 それじゃあ、またね~!』

2001-11-20-TUE

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