『I LOVE YOU』
 尾崎豊

 
1991年(平成3年)

あなたに歌いました。
好きです!
(ももさく)

I LOVE YOU


夫と初めて出会ったのは20年前の3月、
就職先の新人研修でした。
向こうは学校でたての本物新人。
私はシングルマザーになって出直し新人。
4日間の研修を終えて
それぞれ配置された部署での初めての週末、
研修で一緒だった数人にご飯とカラオケに誘われました。
私がシングルマザーだということは
研修のときに言ってあったので、
子供たちのことが都合つけば、と言って。
そしてそのときのカラオケで夫が歌ったのが
尾崎豊のI LOVE YOU。
女性はみんなうっとり聴いていましたが、
私は尾崎豊をよく知らないし
(10歳年下の夫は尾崎豊どんぴしゃ世代だけど、
 私はすでに当時社会人だったし、
 なんかすごく人気ある人で
 若くして死んじゃった人、位の認識)
ふぅんという感じで聴いていたら、
なんだかやたら私を見て歌ってる・・・
気づいたほかの人が
「なんで彼女のほう見て歌ってるの?気があるとか??」
「え〜そんなわけないじゃん!」と私が言うと
歌い終わった夫がマイク持ったままで
「いや、あなたに歌いました。好きです!」
もう、一同唖然。
私も照れるというよりただただびっくり。
この爆弾発言で周りはその気になって囃し立てるし、
夫は猛然とアタックしてくるし、
なんなの〜!と思いつつ8年後、
子供たちも納得してくれて結婚しました。
そのとき猛反対で一度は縁を切られた夫の両親と
2年前に和解。
今では一回り上の両親を
「お義父さん」「お義母さん」と呼び、
一緒にご飯食べたりする日々です。
若気の至り?で爆弾発言をして8年間もアタックし続けた夫は、
大変な愛妻家になりましたとさ。
なら綺麗にまとまるんですが、結婚3年目に浮気発覚。
カラオケにもいったらしいので
そのときI LOVE YOUを歌ったかどうかは定かではありませんが。
そんなこともあり、お互いの病気、怪我、事故、
子供たちのこと・・・山あり谷あり深い谷ありの12年でしたが、
なんとなくやっと家族らしくまとまってきた
ここ最近の我が家です。
I LOVE YOUを歌ってくれた頃は、若いお兄ちゃんだった夫も
今はちょっとメタボなおじさん、私も50を越えました。
連休は家でのんびりしようか、
と言ってCDを整理していたら出てきた尾崎豊。
あの時の爆弾発言と驚きをDOKIDOKIと共に思い出しました。
(ももさく)

三年目の浮気を大目に見ての12年、
ひとまずお疲れ様でした。
落ち着いて記されていますが、
波瀾万丈な人生だったのだと思います。
この先、(ももさく)さんの「我が家」は、
どんどんあたたかくたのしく、なっていくのでしょう。
築いた土台の強さがちがいますからね。

ここ↓がいちばん好きでした。よかったー。

 一度は縁を切られた夫の両親と2年前に和解。
 今では一回り上の両親を
 「お義父さん」「お義母さん」と呼び、
 一緒にご飯食べたりする日々です。

ちなみに三年目の浮気のカラオケ。
I LOVE YOU歌っちゃった線は濃厚だと思います。
でも、あのとき、
(ももさく)さんのために歌ったI LOVE YOUに比べれば、
気迫、歌唱力ともに遠く及ばない内容だったはずです。
そりゃあそうですよーー!

ええー。そうなの?
いや、そうじゃないよ、
I LOVE YOUは、歌ってないよ。
だって思い出の歌ですもんね。
(山下さんのが実像かもしれないけどそう思おう!
 貴重なことを教えてくれてありがとう山下さん!)

さて、そんなこともありながら、
歩んでこられた12年間、
(ももさく)さんの家族らしさ、たのしさを
謳歌されているのですね。
そんな、「まとまってきた」、おちついた、
あたたかい関係のなかでも、
↓私はここが好きでした。

あの時の爆弾発言と驚きを
DOKIDOKIと共に思い出しました。

そういうの、いいなぁ。
ずうっとあまずっぱい思い出を
憶えていたいなぁ。

あ、俺も、歌ってないと思う。
むしろ、そっちは見ないようにしてるはず。

でも、あれだなあ、
「浮気、病気、怪我、事故」というあたりが
人生の副菜のようにさらっと
書かれてるところが、すごいですよね。
そこよりも、カラオケ熱唱I LOVE YOUから
8年越しに恋を成就しているほうがメイン。
そうとらえる懐の深さが
この投稿のすばらしさですよね。

ぼくは、やっぱりここ↓が好きでしたよ。

 なんなの~!と思いつつ8年後、
 子供たちも納得してくれて結婚しました。

がったんごっとん、
読んでるこちらもどこに落ち着くのか
気が気じゃない投稿でした!
でもよかった、いまがHAPPYで。

浮気のゴタゴタの詳細がわからないから、
夫が浮気相手にもこの歌を歌ったかどうか、
ちょいと想像つきませんから勝手なこと言うけど、
「つい歌っちゃった。てへへ」な、
妙な軽さもありそうだという気もするよ。
つまり本気で歌ってないけど歌っちゃった説。
そのくらいの軽いもんだったと思いたい。
でもまあ浮気はされるときついっすよね。
メールで「たかしさん!」みたいなのを
恋人だと思ってたヒトからもらったことあるよ。
オレはよしあきだっちゅうの。
ぼくはその瞬間恋の気分がどかーんと急速冷却されたけど、
そこまで冷めなくてよかったですよ!

ぼくはここが↓好きですよ。

 8年間もアタックし続け 

すごいなあ。
もっとも8年のうち
あんがい早いタイミングで(ももさく)さんは
その気持ちを受け止めてたのかもしれないし、
8年のほとんどは
子供たちを納得させるまでの時間だったのかもしれない。
どちらにせよ簡単にいかなかった、ということは確か。
そしてその8年がたぶん大事だったんですよね。

2014-01-15-WED

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