ボレーシュート
中学生のときのこと。
クラスの男子全員が怒られていて、
順番に先生のサンダルで
頭を叩かれていました。
私の番になったとき、頭を叩いた拍子に、
サンダルがぽろっと足元に落下。
私は、無意識のうちに
何故かボレーシュートを決めており、
サンダルは2階の窓から外へ‥‥。
先生は、私の後の子から
本気になって頭を叩いていきました。
みんな、あのときはゴメンね~!
(そんな私は剣道部)
老婆のフェイント
バス待ちの長い列の、
いちばん前に割り込んで来たおばあさん。
並んでた人たちの目が、
いっせいに釣り上がった!
おばあさんは、ひとこと
「雨ふって、地かたまる」と。
半分の人は、
ボケてるならしょうがない‥‥と思い、
あとの半分は、
何か深い意味があるのだろうかと
考えこんだすきに、
おばあさんは、
素早い身のこなしで
バスに乗り込んでいった。
(奈緒)
ヘディング&キャッチ
歩道を歩いていると、後方から
なにやら「白いもの」が、
頭のうえを飛んで行きました。
そして、前を歩いていた
おじさんのハゲあたまにポーンとはねて、
向かいから歩いてきた男の子が、
それをうまくヘディングすると、
ぴゅーんとこちらへ飛んで来たので、
私がキャッチ。
どうやら、男の子たちが
手袋の投げ合いっこをしていたみたい。
みんなで顔を合わせて笑いました。
(新種のキャッチボール)
何ごともなかったかのように
電車に乗っていたときのことです。
閉まりかけた扉に向かって、
おばあちゃんが「あ~」と叫んで
歩き出しました。
ヨボ‥‥ヨボ‥‥としています。
予想外の行動に、みんな動けずにいると、
ひとりの若者がさっと走り寄り、
ガッと扉をこじ開けて、
おばあちゃんを通しました。
おばあちゃんは、
何ごともなかったように
降りていきました。
若者の盛り上がった腕の筋肉が
忘れられません。
(綺奈子)
何ごともなかったかのように2
朝が弱い私は、
その日も、つり革につかまりながら
眠りの世界へ。
はっと気づいたときには、
つり革から外れた手が、
空手チョップのごとく、
前に座る男性の頭にまっしぐら!
寝ぼけた自分の神経を総動員させ、
頭頂部まで
あと2~3cmのところで
寸止め成功!
気配を感じた男性の視線を感じつつ、
私の手は、
何ごともなかったかのように、
つり革へと戻されていったのでした。
(まいまい)
携帯電話の時代
母が、携帯を忘れた私に、
携帯を忘れたことを伝えようと、
私の携帯に電話していた。
(着信が残っていた)
家出
理由は忘れましたが、
おじいちゃんとケンカをした、18歳の夏。
「出て行け!
二度とこの家の敷居をまたぐな!」
と祖父。
「あんたの葬式まで帰っては来ないよっ!」
と私。
そのまま、歩いて100メートルの友人宅へ
家出しました。
三日後、祖父からハガキが届きました。
そこには
「こんな年寄りを捨てて、
お前はどこへ行ったのか‥‥」と。
どこへって、このハガキは、
ここの住所を書いたから
届いたんじゃないのか‥‥。
友人の母の肩が小刻みに震えていたのを
今でも覚えています。
もちろん、
恥ずかしいので直ぐに帰りました。
(たまきち)
それは野菜
テレビで、
フィギュアスケートを観ていました。
ゲストに
荒川静香さんが出ておられました。
おかんが、
「この人あれで有名になった人だよね‥‥」
「あれ‥‥、あれ‥‥、
もろへいあー!」
(いなばうあー)
a.g.a.p
スーパーの青果コーナーにて
バナナを選んでいると、
お茶目な感じの年配のご夫婦が
やってきました。
すると、ご主人より奥様に指示が。
「いいか、バナナは足がはやい。
なるべく緑のバナナを選べ!
アズ・グリーン・アズ・ポッシブルだ!」
イエス、サー!
その場に居合わせた数名、
緑バナナにチェンジ。
(カズリーヌ)
駆け込み乗車?
雨の日のホーム。
階段を駆け降りてくる青年が、
残り2段で転んで滑り、
そのままの勢いでホームも滑り、
そのまま電車の中へ。
車内は絶句。
(駆け込み乗車‥‥かなあ)