帰ってきた松本人志まじ頭。

第1回 ヒマなのだろうか。




(※ついに、松本人志さん、高須光聖さん、末永徹さん、
  そしてdarlingの4人のコタツ座談会の連載開始です。
  第1回は、ウォーミングアップのような
  それぞれのご挨拶から、はじまります。
  ゆっくり、楽しみにしていてください。
  今後、けっこう充実の連載になる予定です)

松本 いま、ものすごく休みが多いんですよ。
糸井 うそでしょ?
・・・あ、でもさあ、
それならそれもいいじゃないですか。
松本 まあ、それはそれで・・・。
そんなに友達もいませんし。
糸井 ふふふ(笑)。
松本 (時間を)埋めていくの、難しいですよ。
糸井 (笑)。
高須 松本って、自分と同じくらいのレベルで
休めている奴が、おれへんでしょ?
松本 うん。それがいないんです。
ぼくの今のテーマなんですよね。
高須 それがむつかしい。
松本 むつかしい・・・
時間があって、金があって、という人が。
糸井 あ。ここにいる末永さん、ヒマよ〜。
一日に、原稿2枚書いて暮らしてる。
松本 (笑)。
高須 それでいいんですか?
何で、いいんですか?
糸井 聞きたくなるでしょ?

ぼくが邱永漢さんの家で
ごはんをごちそうになった時に、
たまたま同席してた人なんですけど。
うなづきかたがものすごくいいなあと思ってて、
「また会いましょうね」と。
たまたま近所なので、今日は来てもらったの。
まあ、大金もうけて隠居しちゃった人です。
末永 ・・・そりゃまあ、大げさですけど(笑)。
糸井 ま、大げさに言うと、だけどさ〜。
でも、それまでは十年間、アメリカの
証券会社につとめてて、ずっと働いてた・・・
で、今は一日に原稿2枚、書いてんの。
末永 そこ、もうちょっと増やしたいですけど(笑)。
糸井 (笑)でも、35歳ぐらいでしょ、まだ?
末永 36歳になったばっかりですね。
高須 隠居ですかあ・・・。
糸井 (笑)ひどいと思わない?
俺は生まれてはじめて会ったよ?
こんなに若い隠居。
高須 ほんとにそれしかしていないんですか?
末永 はあ、今は原稿だけ。
糸井 ほとんど知らなかったんだけどさあ、
インターネットで調べてみると、末永さんって、
「何でクルマ持ってないんですか?
 と言われ過ぎてうるさいから買った」
とか、エピソードが、だいたいひどいんですよ。
末永さん、友達と会ったりも、してるんですか?
末永 会社やめるとほんとうにひまになって、
それまでの友達は取引先だったりしますから、
確かに、会えなくなるんですよね。
松本 そうでしょうね。
末永 会っても話すことないです。
というか、話すことが共通しないというか、
話が、成立しないんですよ。
向こうとこちらの立場が全然違うから。
で、まあ・・・非常に退屈ですね。
糸井 (笑)
高須 (笑)いいなあ。
松本 (笑)いや、よくないんでしょうね。きっと。
それはそれで、よくないんですけど。
糸井 よくないんだろうねえ。それはわかる。
高須 そうかなあ?
退屈な日々が欲しいなあ、一回。
糸井 こないだ、
高須くんと久しぶりに会って、
「どうしてこんなに、ひっきりなしに
 働いていなきゃいけないかなあ」
って、話したんだよね?
高須 そうですねぇ〜、
だってね、いくら働いても
楽になんないんですもん。
松本 こないだ、ワイズビジョンの
白岩さん(プロデューサー)が、
「好きなことばっかりやってると、
 人間は、ヒマや!」
・・・って言うてたのは、
まあ、そうなんかなと思って(笑)、
人間、嫌なことをやらないと、
ヒマにできてるっていうのは。
糸井 俺なんかそうなんだけど、若い頃って、
「忙しくしたい」と、一度は思っていて、
それで生きていたところがない?

もう、絶えず仕事をしてたいって、
思ってたような面があって、
「お前、最初はそう思ってたじゃん?」
って言われると、
「・・・そうですね」って言うしか
なくなっちゃうんだけど。

かといって、忙しくしてると腹立つじゃない?
ヒマになるとまた文句を言うんだけど。

・・・末永さんのほうが
松っちゃんよりひどいと思う。
さっきちょっとだけ聞いたけど、露骨だもん。
高須 「ひどい」って(笑)。
松本 (笑)
「ひどい」「ひどない」
の次元じゃないですよね。
糸井 (笑)まあ、つまり、
「そうありうる確率」が低いと思う。
だって、末永さんの働いたその10年って、
さっきも言ったように、ほんと、
ものを投げつけあうくらいだったらしいよ。
末永 まあ、受話器が飛ぶという雰囲気ですよね。
松本 は〜。それじゃあ、性格も変わりますよね。
末永 会社の外で会った人が
会社に電話をかけてくると、びっくりする。
松本 そうでしょうね。
末永 「声がぜんぜん違う」って。
糸井 へぇ〜。一見のほほんとしてますよね。
末永 これが「地」なんですけど、
会社にいると少し違うみたいです。
高須 それ、ちょっとわかるな〜。
糸井 タレントさんが、
カメラ向けるとポテンシャルが上がるのと、
おんなじようなもんかなあ。
・・・あんなポテンシャルのやつ、
世の中に、いないよね〜(笑)。
松本 (笑)いるわけないですよね。
たま〜〜に、いますけども。
高須 いてんのかな? 誰?
松本 そんなに変われへんやついるよ。
高須 今ちゃん(今田耕司さん)
なんかそうなんちゃう?
松本 「やや」ね。
でも、あいつも、何年か前に、どっかで
「そうしよう」って決めた感はあるけども。
高須 「俺はこういうキャラで行こう」と(笑)。
松本 うん。ふだんから、
もう、全体的に上げていこう、
という感じにしたフシは、見られる。
糸井 (笑)
高須 全体会議開いて、自分の中で(笑)。
今年はこうしていこう、って。
糸井 (笑)ひとり全体会議。オレ集合。
松本 昔はもう少し、暗かったな。
高須 暗かったなあ。
糸井 全体的に、お笑いの人って暗いよね。
暗くないはずがないよ。
松本 ほんとに、ひどいよね。
ココリコもふたりともしゃべらんし。
糸井 じゃあ、普通の人のほうが陽気じゃん。
松本 そうじゃないですか?
種類にもよるけど・・・。
でも意外と、だまーって、じーっと、
人のことを見てるような奴が多いよなあ。
高須 多いなあ、人間観察しながら
くすっと笑ってる奴とか。
糸井 聞き耳立ててる人とか。
高須 いやらしく、ニタニタ笑ってて、
何がおもろいんかなって聞くと、
「いやあ、おもろいから」
って、何がおもろいのか言わずに、
・・・それをゆえよ、お前!(笑)
っていうような奴が多いですよね。
糸井 「ひとが悪い」というのとは、違うよね。
松本 あ、ぼくは、芸能界では、
一番ましな部類だと思いますよ。
糸井 (笑)うん。それはなんか、わかる。
ポジションで考えたりしないもん。
それは珍しいよね。


(明日に、つづきます)

2001-01-05-FRI

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