糸井 |
じゃあ、今日のテーマにいくと・・・
世の中が、変化している認識って、
それぞれ、みなさん、ありますか? |
松本 |
うーん・・・多少は、ありますね。 |
糸井 |
どんなところにありますか? |
松本 |
ぼくは、インターネットが
これだけ普及するとは思わなかったですよ。 |
糸井 |
普及してるよね。 |
松本 |
めちゃめちゃしてますよね。 |
糸井 |
この対談だって、
インターネットがなかったら
いらっしゃらないですよね。 |
松本 |
そうですね。
これはちょっとびっくりしましたよね。
ぼく、携帯電話買ったの、
比較的早かったんですけど、
最初買った時なんか、まわりから、
すごい、さげすんだ目で見られましたよね。
「この成金野郎!」みたいな。
・・・でも、いま、すごいでしょ。
あの時の蔑んだ目を、返してもらいたい。
そん時、なんか、
高須もそんな目をしたで?
携帯電話買うって言ったら、
「あ〜、タレントさんねえ」みたいな・・・
すごい顔をしたんですよ、みんな。 |
糸井 |
(笑)見せびらかしたりは、しなかったの? |
高須 |
無理矢理に、機能を見せたりとか? |
糸井 |
「あ、俺電話しようっと」とか。 |
高須 |
わざと忘れて帰ったり。 |
松本 |
(笑)
ちょっと変わりましたね。世の中。
うちの実家にさえも、もう
インターネットがあるかもしれない。 |
糸井 |
高須さんは、どこで感じましたか? |
高須 |
もちろんインターネットは感じますよ。 |
糸井 |
ご自分は、ホームページを
けっこう、熱心にやってらっしゃいますよね? |
高須 |
意外とはまってますね。 |
糸井 |
おもしろいもん。
放送作家と対談してるのよ。
ひとりずつと。
あれで、みんな一生懸命やってるんだなあ、
と思って、ちょっとじーんと来たの。 |
高須 |
ありがとうございます。
ぼくも、放送作家は、人種として
おもしろいと思います。
意外とバランスが良かったりするんです。
中途半端なバランスの良さが。 |
糸井 |
見事に小心だしね。 |
高須 |
そうなんですよ、全員がね。
そこが、しゃべってて面白いんです。 |
松本 |
(笑) |
高須 |
ああ、こいつこんなこと思ってたんだな、
っていうのがわかる。
それに、ソツなく情報が来たり、
ぼくにとっては、しゃべり相手としては
ものすごく楽しくて、同業者だから、
悩みも一緒だったりするじゃないですか。
タレントとでもなく視聴者とでもなく
しゃべっているところですから、
あれはほんとにおもしろかったですね。
自分のガス抜きになりますね。 |
糸井 |
あのホームページがなかったら、
あそこに載っている放送作家たちと
例えば1時間とか、時間を取って
会ってしゃべろうとも思わなかったでしょ? |
高須 |
ああ、それはそうです。 |
糸井 |
で、ほんとのことを
言うチャンスがなかったでしょ? |
高須 |
そうっすねえ。 |
糸井 |
これが不思議なんですよね。
普通に「だべらへんか?」って来ても、
「あいつどうしてる」「あれ美味いね」
とかいうことで終わっちゃうのが、
ホームページだと、妙にほんとのことを
言いあうようになってるよね。 |
高須 |
そうですよね。
ぼくもメールって、
「なんでやねん?」って、
最初は思ってたんですよ。
「別に、うれしかねぇよ!こんなの」
って思っていたんですけど、最近では、
「・・・あぁ。うれしいなぁ」って。 |
糸井 |
(笑) |
高須 |
来ないと寂しいんですよ。
37歳になる、このおっさんまでもが、
メール来てないと寂しいと感じて、
つながっていたいと思っているのは、
それ、感覚が変わったということですよね。
昔の人だったら、手紙でしょ?
手紙を書くしかないけど・・・
そしたら、ま、書かないじゃないですか?
で、携帯からつながるひとつの手段として、
夜でも朝でも電話かけられるようになって、
歩きながらも電話かけられるようになって、
で、その次メールですから、
もっと深いことを喋りだすようになるでしょ? |
松本 |
俺は、メールばかりやるのは
「本末転倒型」だと思ってるけど。 |
高須 |
そうかな?
メールって、微妙な言葉づかいで、
「照れくさいと思って書いているねんな」とか、
すごくその人のキャラクターがわかるんですよ。
番組でタレントのメールを使っても、
ほんとに書いたんだろうなとかいうのが、
伝わってくる気がする・・・。
そこは逆に、ビデオで喋られても、
あんまりリアリティーが出てこないんです。
メールって、
5行とか3行とかの文章が、
リアリティあるんですよね。
ああ、このひとはこういう書き方してるんだな、
というのが、すごくわかるから。 |
糸井 |
メールは、心根がばれるんだよね。
末永さんなんかみたいに、
隠居文体を完全にものにした人は、
マナー中心にビジネスでさんざん使っているから、
必要な部分を不足なく書くのには慣れているけど、
メールをやんなかったら文章を書かない人が、
世の中には、山ほどいますよね。
つまり、それまでって、
文章を書くことは嫌なもんだったんですよ。
作文のように見えていたから・・・。
だけど、メールを持ってしまうと、
書かなかったはずの奴が書くようになったんで、
それぞれの心が、バレバレになるのよ。
文章で、その人が見えちゃうっていう・・・。
はじめて、日本人がものを書く、
っていうことをはじめたかもね。
短い文章ならまだしも、
ある程度の分量が入ると、
小学生でさえも、文章を書くのに
自分の文体が必要になるんだから、
そこのところは、びっくりしますね。
(つづきます)
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