帰ってきた松本人志まじ頭。

第3回 世の中は、変化しているだろうか。




糸井 じゃあ、今日のテーマにいくと・・・
世の中が、変化している認識って、
それぞれ、みなさん、ありますか?
松本 うーん・・・多少は、ありますね。
糸井 どんなところにありますか?
松本 ぼくは、インターネットが
これだけ普及するとは思わなかったですよ。
糸井 普及してるよね。
松本 めちゃめちゃしてますよね。
糸井 この対談だって、
インターネットがなかったら
いらっしゃらないですよね。
松本 そうですね。
これはちょっとびっくりしましたよね。
ぼく、携帯電話買ったの、
比較的早かったんですけど、
最初買った時なんか、まわりから、
すごい、さげすんだ目で見られましたよね。
「この成金野郎!」みたいな。
・・・でも、いま、すごいでしょ。
あの時の蔑んだ目を、返してもらいたい。

そん時、なんか、
高須もそんな目をしたで?
携帯電話買うって言ったら、
「あ〜、タレントさんねえ」みたいな・・・
すごい顔をしたんですよ、みんな。
糸井 (笑)見せびらかしたりは、しなかったの?
高須 無理矢理に、機能を見せたりとか?
糸井 「あ、俺電話しようっと」とか。
高須 わざと忘れて帰ったり。
松本 (笑)
ちょっと変わりましたね。世の中。
うちの実家にさえも、もう
インターネットがあるかもしれない。
糸井 高須さんは、どこで感じましたか?
高須 もちろんインターネットは感じますよ。
糸井 ご自分は、ホームページを
けっこう、熱心にやってらっしゃいますよね?
高須 意外とはまってますね。
糸井 おもしろいもん。
放送作家と対談してるのよ。
ひとりずつと。
あれで、みんな一生懸命やってるんだなあ、
と思って、ちょっとじーんと来たの。
高須 ありがとうございます。
ぼくも、放送作家は、人種として
おもしろいと思います。
意外とバランスが良かったりするんです。
中途半端なバランスの良さが。
糸井 見事に小心だしね。
高須 そうなんですよ、全員がね。
そこが、しゃべってて面白いんです。
松本 (笑)
高須 ああ、こいつこんなこと思ってたんだな、
っていうのがわかる。
それに、ソツなく情報が来たり、
ぼくにとっては、しゃべり相手としては
ものすごく楽しくて、同業者だから、
悩みも一緒だったりするじゃないですか。

タレントとでもなく視聴者とでもなく
しゃべっているところですから、
あれはほんとにおもしろかったですね。
自分のガス抜きになりますね。
糸井 あのホームページがなかったら、
あそこに載っている放送作家たちと
例えば1時間とか、時間を取って
会ってしゃべろうとも思わなかったでしょ?
高須 ああ、それはそうです。
糸井 で、ほんとのことを
言うチャンスがなかったでしょ?
高須 そうっすねえ。
糸井 これが不思議なんですよね。
普通に「だべらへんか?」って来ても、
「あいつどうしてる」「あれ美味いね」
とかいうことで終わっちゃうのが、
ホームページだと、妙にほんとのことを
言いあうようになってるよね。
高須 そうですよね。
ぼくもメールって、
「なんでやねん?」って、
最初は思ってたんですよ。
「別に、うれしかねぇよ!こんなの」
って思っていたんですけど、最近では、
「・・・あぁ。うれしいなぁ」って。
糸井 (笑)
高須 来ないと寂しいんですよ。
37歳になる、このおっさんまでもが、
メール来てないと寂しいと感じて、
つながっていたいと思っているのは、
それ、感覚が変わったということですよね。

昔の人だったら、手紙でしょ?
手紙を書くしかないけど・・・
そしたら、ま、書かないじゃないですか?
で、携帯からつながるひとつの手段として、
夜でも朝でも電話かけられるようになって、
歩きながらも電話かけられるようになって、
で、その次メールですから、
もっと深いことを喋りだすようになるでしょ?
松本 俺は、メールばかりやるのは
「本末転倒型」だと思ってるけど。
高須 そうかな?
メールって、微妙な言葉づかいで、
「照れくさいと思って書いているねんな」とか、
すごくその人のキャラクターがわかるんですよ。

番組でタレントのメールを使っても、
ほんとに書いたんだろうなとかいうのが、
伝わってくる気がする・・・。
そこは逆に、ビデオで喋られても、
あんまりリアリティーが出てこないんです。

メールって、
5行とか3行とかの文章が、
リアリティあるんですよね。
ああ、このひとはこういう書き方してるんだな、
というのが、すごくわかるから。
糸井 メールは、心根がばれるんだよね。

末永さんなんかみたいに、
隠居文体を完全にものにした人は、
マナー中心にビジネスでさんざん使っているから、
必要な部分を不足なく書くのには慣れているけど、
メールをやんなかったら文章を書かない人が、
世の中には、山ほどいますよね。

つまり、それまでって、
文章を書くことは嫌なもんだったんですよ。
作文のように見えていたから・・・。

だけど、メールを持ってしまうと、
書かなかったはずの奴が書くようになったんで、
それぞれの心が、バレバレになるのよ。
文章で、その人が見えちゃうっていう・・・。
はじめて、日本人がものを書く、
っていうことをはじめたかもね。

短い文章ならまだしも、
ある程度の分量が入ると、
小学生でさえも、文章を書くのに
自分の文体が必要になるんだから、
そこのところは、びっくりしますね。

(つづきます)

2001-01-07-SUN

BACK
戻る