帰ってきた松本人志まじ頭。

第12回 服装がヤバくなるのは、なんでだろうか。



高須 ぼく、日本で優秀な放送作家って
十数人くらいしかいないと感じます。
たぶん、15人くらいかなあ。

ちゃんとバランスも取れて、
それでいて、実現可能な
奇抜なアイデアを出せる放送作家って。

どこかで、不安材料を
持っていたりするんですよね、作家同志でも。
やってて、楽な作家って、本当にその
15人くらいですよね。

ああ、わかってるなあ、
しゃべらんでもええなあ・・・って。
何か問題が起こった時とか、
視聴率が思うように上がらなかったりした時、
おんなじところで、何か原因がわからないけど
止まっている、と感じたり、
逆に「何かあるな」っておんなじ場所で
ヒット企画の鉱脈を感じられる人は。

企画のおもしろみを感じ取れる作家というか
方向音痴じゃない人は、何人もいないです。
糸井 15人ですか・・・。
高須 そのくらいだと思いますね。
糸井 リアリティあるなあ、変にねえ。
松本 15人・・・。
糸井 単位が、「5」だもんね。
高須 そんな感じすんねんなあ・・・。
それが入れ替わったり、
はじかれたりする時もあり、
自分が方向音痴になってくると、
だめになっていく。
糸井 今さあ、古い放送作家だとかさあ、
古い「おもしろい」というような人で、
それこそベレー帽をかぶって
ループタイをしてるような奴が、
いるじゃないですか。
ああいう人たちも、ある時期は、
こういうことを、言ってたのかな?
松本 うーん・・・。
高須 言ってたんじゃないですか?
糸井 そこらへんをすごく知りたくて。
「いやあ、キミねぇ」
と言ってる人たちのことを。

テレビ局にでもどこにでもいるけど、
自分はそうならないようにしよう思うだけで、
ほんとうに、気苦労が絶えないよね。

自然になるんだとしたら、
俺、気づいてないうちに、ループタイを
しているかもしれないじゃないですか。
松本 (笑)
糸井 知らず知らずのうちに、
親父たちのジーパンに
折り目が入りはじめたりさあ。
高須 (笑)
糸井 「知らず知らず」というところで、
どんどん変化していっただろうけれども、
「それ、『そっちに行く』と
 決めた時があったんじゃないか?」
と思ったりもするんですよ。

「襟なしより、ポロシャツを選ぶようになった」
だとか、そのへんを注意深く考えていれば
わかるんじゃないかなあと思って、
そこで「危険だなあ」と思うところには
なるべく行かないようにしていたら、
俺、若年寄になっちゃった。

それも変だと思うんだけど、
年相応とか、「相応」というところに
自然に行くというのは、実は結構、
「家庭持ち」という要素があると思います。
「奥さんが買ってきちゃった」とかいうのが。
高須 なるほど。
松本 おばあちゃんが
着物を着てたりするじゃないですか。
そのおばあちゃんは、
若い時から着物を着ていたのかなあ?
糸井 それも、怪しいよね?

そういう時代のおばあちゃんもいた。
ぼくは、昭和23年生まれなんですけど、
幼稚園くらいまで、寝巻って、
ほんとの寝巻で、パジャマじゃなかった。
で、着物で、袖をたたんで寝てた。
ネルとかで作ってあって。
それが、ある時にパジャマになったんです。

ぼくはそういう時代から生きてるから、
着物で育ったおばあちゃんがいるというのには
リアリティがあるんですけど、でも、
ぼくぐらいの年でもおじいちゃんがいるけど、
その人は、着物では育ってないですから。
松本 それはぼく、
子どもの頃から気になってたんですよ。

ばあちゃんは、
年取ったから着物を着てるのか、
ばあちゃんだから着物なのか・・・。
糸井 年取ると、着物が背中から生えてくる?
松本 で、しょうがないから
着物を着てるのか・・・。
高須 俺こないだ服屋行った時に、
「高須さん、昔、古着を着てましたよね。
 今、似あわないでしょう?」
と、嫌なこと言われたんですよ。
「はあ」とか応えたら・・・。
松本 そういや、やめたな、自分。
高須 それで、いつも行ってる服屋の兄ちゃん、
「何でやめたか、わかりますよ。
 老けると、古着は映えなくなる。
 若いからこそ古着は映えるわけで、
 それは、人間としてわかってる」って。
年とると、だんだん古着は
おしゃれになってこない。
「高須さん、気づかないうちに
 そうしてるんですよ〜」
って言われて、そうなのかなあと思った。
末永 センスがあると、
そこがずれていかないのかな?
糸井 それはね、気持ちですよ。
ミックジャガーを見なさい。
ミックジャガーはいくらでも服を買えるのに、
ぼろぼろのTシャツ着てステージに上がんのよ。
・・・でも、楽屋では似あわないと思います。
松本 そっかー。
高須 そこらへんを歩いてたらだめで、
ステージでなら、映えるんでしょうね。


(つづく)

2001-01-16-TUE

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