HOST
いっそあのホストに訊こう!

第3夜 友だちめちゃくちゃ多かったですよ



零士 ヤンキーとか、金八先生のころが高校時代で、
で、高校生になったときに、
僕、昼がお弁当だったんですよ。
糸井 いいなぁー、「零士と弁当」(笑)。
零士 学校に弁当持っていってて(笑)。
でも弁当って、2時間目くらいに食べちゃうんですよ、
もう腹へってへって。
その当時から規則正しい生活は
してないですから、基本的には。
で、なんか机の上に
弁当が1個ずつのって来るんですよ。
最初わかんなくて、なんだろ? と思って、
「ま、いいや、食っちまえ」なんて。
で、野球部の連中なんかは、
もうめちゃめちゃ腹へってるわけですよ。
糸井 零士さん、野球部だったんですか?
零士 いえ、僕はちがうんですけど、
野球部のやつらが腹へらしてるわけですよ。
野球部の連中は朝から練習してますから。
で、「この弁当、今日はいらねぇ」とかって
連中にあげると、「いただきます!」って食べちゃう。
で、パッって見ると、向こうで、女が、
こっちをチラチラ見てるんですよ。
糸井 机に弁当置いた子だ。

零士 それが何人もいるんですよ。5人も、6人も……。
「これはいったいなんなんだ?」って友達に訊いたら、
「いや、なんかおまえのファンが、
 弁当、毎日作ってるらしいよ」って。
で、ちゃんとそういう女の子の間で協定があって、
今日はだれだれの弁当を食べた、っていうのを
競ってるらしいんですよ。
「だから、おまえ好きな弁当食べていいらしいよ」って
友達が教えてくたんですよ。
僕はぜんぶの弁当の中身を見て、
それで「これ!」って選ぶ。
糸井 しーんじられない……(笑)。
零士 で、自分がおいしいと思って食べる弁当は、
だいたいどの子が作ったのか決まってるんですよ。
糸井 弁当のうまさと、
弁当をもってきた女の子への
“好きさ”は比例しないの?
零士 反比例してましたね。<
糸井 反比例!(笑)。
弁当のうまい子はあんまり好きじゃない。
零士 いーや、もーのすごい、イケてないんですよ。
そんなもんですよ。
当時「ひょうきん族」に出てた
片岡鶴太郎さんに似てる女の子でね、
今でも覚えてますよ。
糸井 片岡鶴子……。
零士 その鶴子さんの弁当がめちゃくちゃうまいんですよ。
糸井 弱ったねぇ……。
零士 弱ってたんですよぉ。
で、そのとなりに、すっごくきれいな子が
いっつも一緒にいるんですよ。
僕らのマドンナ的な女の子です。
僕はその女の子に声をかけて……フラれました(笑)。
糸井 はぁー。
零士 で、その子もやっぱり「友達にわるいから」って。
糸井 じゃあ思うようにはならないんだ?
それだけモテても……弁当がくるだけなんだ?
零士 弁当がくるだけで、いつも鶴子さんと一緒にいる友達、
マドンナ的な子を僕はいいなぁ〜と思ってて、
交際申し込んで断られましたね。
「友達はうらぎれないから」って。
糸井 高校生だった頃、弁当がきちゃう原因って、
今から思えば、なんだったの?
高校生でそんなやつはあんまりいないでしょー?
零士 ……当時ですよね。
今、分析するとですねぇ……たぶん……、
“いい意味で調子よかった”んでしょうね。
糸井 調子よかった?
零士 ええ。
友達をつくるのがうまかったんでしょうね。
ガガガガーっとこう派閥をつくってくというか。
糸井 男の友達も多くて?
零士 みんな男ですよ。
友だちめちゃくちゃ多かったですよ、僕は。
糸井 番長とかじゃないの?
零士 なんか、そういうのに首つっこんでいくほうですね。
友達が騒いでると、時代劇の岡っ引きみたいにね、
「おーっ、どうした、どうした、どうしたぁ〜!」
みたいなね(笑)。
糸井 お調子者だねぇ(笑)。
零士 もう必ず首つっこんじゃうんだよね。
小さなことを、大きくしちゃったりして(笑)。
で、自分でおさめたりして(笑)。
ボヤに自分で油そそいじゃって、
「たいへんだ、たいへんだぁ〜!」つって、
こんどは水バーッってかけて火を消して、
「どーだぁ!」ってタイプですね(笑)。
糸井 事件をつくっていくタイプ(笑)。
で、その事件のなかで印象にのこるのは自分だったと?
零士 「いやぁ〜、見事な火消しだったらしいよ、あの人は」
って、伝説になってるんですよね。
糸井 はぁ〜。
それ、場所はどこなんですか?
零士 静岡なんですよ。
糸井 気候の温暖な。
零士 そうなんですよー、静岡ですよー。
で、みんなぼーっとしてるんですよー。
で、いい人ばっかりなんですよね。
そこに、そういうことばっかり考えてるやつが
いたんですよね。
あと、男である以上、女にモテたいと思うのは
あたりまえですからね。
じゃなかったら異常ですよね。
糸井 それ、言い切るのがやっぱ重要ですよね。
零士 だって、ぜったい、モテるって必要ですよ。
モテたいと思うから、いろんなこと、面白いこと、
くだらないこと、考えるわけですよやっぱり。

(つづく)

2000-05-12-FRI

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