零士 |
ヤンキーとか、金八先生のころが高校時代で、
で、高校生になったときに、
僕、昼がお弁当だったんですよ。 |
糸井 |
いいなぁー、「零士と弁当」(笑)。 |
零士 |
学校に弁当持っていってて(笑)。
でも弁当って、2時間目くらいに食べちゃうんですよ、
もう腹へってへって。
その当時から規則正しい生活は
してないですから、基本的には。
で、なんか机の上に
弁当が1個ずつのって来るんですよ。
最初わかんなくて、なんだろ? と思って、
「ま、いいや、食っちまえ」なんて。
で、野球部の連中なんかは、
もうめちゃめちゃ腹へってるわけですよ。 |
糸井 |
零士さん、野球部だったんですか? |
零士 |
いえ、僕はちがうんですけど、
野球部のやつらが腹へらしてるわけですよ。
野球部の連中は朝から練習してますから。
で、「この弁当、今日はいらねぇ」とかって
連中にあげると、「いただきます!」って食べちゃう。
で、パッって見ると、向こうで、女が、
こっちをチラチラ見てるんですよ。 |
糸井 |
机に弁当置いた子だ。
|
零士 |
それが何人もいるんですよ。5人も、6人も……。
「これはいったいなんなんだ?」って友達に訊いたら、
「いや、なんかおまえのファンが、
弁当、毎日作ってるらしいよ」って。
で、ちゃんとそういう女の子の間で協定があって、
今日はだれだれの弁当を食べた、っていうのを
競ってるらしいんですよ。
「だから、おまえ好きな弁当食べていいらしいよ」って
友達が教えてくたんですよ。
僕はぜんぶの弁当の中身を見て、
それで「これ!」って選ぶ。 |
糸井 |
しーんじられない……(笑)。 |
零士 |
で、自分がおいしいと思って食べる弁当は、
だいたいどの子が作ったのか決まってるんですよ。 |
糸井 |
弁当のうまさと、
弁当をもってきた女の子への
“好きさ”は比例しないの? |
零士 |
反比例してましたね。< |
糸井 |
反比例!(笑)。
弁当のうまい子はあんまり好きじゃない。 |
零士 |
いーや、もーのすごい、イケてないんですよ。
そんなもんですよ。
当時「ひょうきん族」に出てた
片岡鶴太郎さんに似てる女の子でね、
今でも覚えてますよ。 |
糸井 |
片岡鶴子……。 |
零士 |
その鶴子さんの弁当がめちゃくちゃうまいんですよ。 |
糸井 |
弱ったねぇ……。 |
零士 |
弱ってたんですよぉ。
で、そのとなりに、すっごくきれいな子が
いっつも一緒にいるんですよ。
僕らのマドンナ的な女の子です。
僕はその女の子に声をかけて……フラれました(笑)。 |
糸井 |
はぁー。 |
零士 |
で、その子もやっぱり「友達にわるいから」って。 |
糸井 |
じゃあ思うようにはならないんだ?
それだけモテても……弁当がくるだけなんだ? |
零士 |
弁当がくるだけで、いつも鶴子さんと一緒にいる友達、
マドンナ的な子を僕はいいなぁ〜と思ってて、
交際申し込んで断られましたね。
「友達はうらぎれないから」って。 |
糸井 |
高校生だった頃、弁当がきちゃう原因って、
今から思えば、なんだったの?
高校生でそんなやつはあんまりいないでしょー? |
零士 |
……当時ですよね。
今、分析するとですねぇ……たぶん……、
“いい意味で調子よかった”んでしょうね。 |
糸井 |
調子よかった? |
零士 |
ええ。
友達をつくるのがうまかったんでしょうね。
ガガガガーっとこう派閥をつくってくというか。 |
糸井 |
男の友達も多くて? |
零士 |
みんな男ですよ。
友だちめちゃくちゃ多かったですよ、僕は。 |
糸井 |
番長とかじゃないの? |
零士 |
なんか、そういうのに首つっこんでいくほうですね。
友達が騒いでると、時代劇の岡っ引きみたいにね、
「おーっ、どうした、どうした、どうしたぁ〜!」
みたいなね(笑)。 |
糸井 |
お調子者だねぇ(笑)。 |
零士 |
もう必ず首つっこんじゃうんだよね。
小さなことを、大きくしちゃったりして(笑)。
で、自分でおさめたりして(笑)。
ボヤに自分で油そそいじゃって、
「たいへんだ、たいへんだぁ〜!」つって、
こんどは水バーッってかけて火を消して、
「どーだぁ!」ってタイプですね(笑)。 |
糸井 |
事件をつくっていくタイプ(笑)。
で、その事件のなかで印象にのこるのは自分だったと? |
零士 |
「いやぁ〜、見事な火消しだったらしいよ、あの人は」
って、伝説になってるんですよね。 |
糸井 |
はぁ〜。
それ、場所はどこなんですか? |
零士 |
静岡なんですよ。 |
糸井 |
気候の温暖な。 |
零士 |
そうなんですよー、静岡ですよー。
で、みんなぼーっとしてるんですよー。
で、いい人ばっかりなんですよね。
そこに、そういうことばっかり考えてるやつが
いたんですよね。
あと、男である以上、女にモテたいと思うのは
あたりまえですからね。
じゃなかったら異常ですよね。 |
糸井 |
それ、言い切るのがやっぱ重要ですよね。 |
零士 |
だって、ぜったい、モテるって必要ですよ。
モテたいと思うから、いろんなこと、面白いこと、
くだらないこと、考えるわけですよやっぱり。
(つづく) |