零士 |
ちがう派閥のボスと戦うってことで言うと、
「なんであの人にあのお客さんが行くのかな?」とかね、
不思議に思ったら、じーっと見て研究するんですよ。
「きっとあのホストは寝てないんだな。
寝ずに24時間起きて、ちょこちょこいろんな人と
お茶したりして、つないでんだろうなぁ……」と。
それで思ったんですよ。
やっぱりモテるやつは、タフでマメ。 |
糸井 |
はい、字幕(笑)。
「タフでマメ!」 |
零士 |
これに尽きる!
皆さん、うなずいてますけど……(笑)。 |
糸井 |
タフでマメ……。
たしかに、モテる以外のことでも同じですよね。 |
零士 |
ええ。
でね、タフでマメってことで言うと、
僕や糸井さんて、話しだしたら長いんですよ、きっと。
気合い入っちゃったら、わかるまで畳みかけるわけですよ。
でもね……僕は糸井さんがすごいのわかりますけど、
なんでその人の言うことがすごくなっちゃうかと言ったら、
僕が思うには、その長い話が、相手の苦にならないだけの
内容をつめた会話ができるからなんですよ。
僕らもそうなんですよ。
女を口説くときに、話を手短にパッパッパッとして、
共鳴させるなんてのはぜったい無理なんですよ。
ぜったい無理! |
糸井 |
はぁー!
それ、大事ですねぇ!
手短に共鳴させるのは無理。 |
零士 |
ネタをばらすようですけど、
それはぜったい無理なんですよ。
今回も、ほぼ日の読者さんから
いろいろ質問していただいて……、
えー、ありがとうございます。
で、ぜんぶ読ませてもらいましたけど、
基本的には、こっちの思ってることとか、
研究してリサーチしてたことを
相手に出すも出さないもいいんですけど、
相手を納得させるには、
ぜったい時間はかかるんですよ。
トークの時間は必要なんですよ。
時間があればあるほどいいんですよ。
ただそれが、話を聞いてて苦になるヤツもいる。
苦にさせない、時間を感じさせないトークが
できるヤツが、やっぱりうまいんですよ。 |
糸井 |
今の話だと、やっぱり武器はトークでしたねぇ。
トークなんですか? |
零士 |
トークです。
僕が思うに。 |
糸井 |
たとえば、ヤクルトの川崎みたいなホストがいても
トークがイケれば、イケる? |
零士 |
(笑)イケますね、はい。 |
糸井 |
ことばですよね、要するに。
それは、相づちを含めてのトークですよね? |
零士 |
僕のは表現だと思ってます。
それを客観的に見てる人が、僕のマネをして、
身振り手振りでこんなことやっても、
そんなことはどーでもいいんです。
対ここ(目の前の相手)ですから。
自分の仕草にしても、こうするよりは、
「そうだろ!」って、こうしたほうがいいとか、
いつも考えてますよ。 |
糸井 |
それが身に付くようになってくるんだ? |
零士 |
なってきます。 |
糸井 |
板につかない人が手をやたら動かすと、
すっごいうるさいじゃないですか。 |
零士 |
下手したら、うざいですよね。 |
糸井 |
あれはやっぱり練習してないってことなんですかね? |
零士 |
大事なのは、こう……
伝えたい!ってことです。 |
糸井 |
おおー、伝えたい!。
字幕入るねぇ(笑)。
伝える前には、思ってないとダメですよね? |
零士 |
いつも考えてなきゃダメですね。
だから、「よく寝てますよ」っていう人に、
「何人にもモテろ」っていうのは、ムリですよ。 |
糸井 |
結局しわよせは睡眠時間なんだ!? |
零士 |
たとえば女の子に、
「今から寝るから、じゃーね、おやすみ、チュ!」
なんて電話したりして、ピッて電話切って、
普通の人はそれで寝ますよね?
……たとえば、僕は5人分、
5回電話かけるわけですから、
寝る時間が減るんですよ、普通の人よりは(笑)。
で、みんなと同じ時間にパッと起きるんですから。
だーから、「タフでマメじゃなきゃダメだ」と。
もう、これ基本なんですよ。 |
糸井 |
ほほー(笑)。 |
零士 |
トークも、ネタがつきるわけですよ。
だったら雑学の帝王になれ、ということですよね。
自分が困らないようにするために、
チャンネルの数を増やすんですよね。 |
糸井 |
雑学は……短い話がいいんですか?
雑学をあんまり追求していって、
「鎌倉時代はねぇ……」
なんて言うと、まずいでしょ?
ほどがあるよね? |
零士 |
まずいです、それは(笑)。
自分が何気なく
「あ、それね! 知ってる知ってる」って言って、
相手にたっぷりしゃべらせて、
「あ、そーなんだぁ」
と相手を立ててあげる方法もあります。
別な方法としては、
「あ、それ、知ってるよ。好きなのよぉ」
って言って、相手には、
「またそんなこと言って、調子いいんだからぁ」
って思わせながら、そのうんちくをパーッとしゃべると、
「あ、ホントに知ってるんだ、この人……」と。
相手の気持ちって必ず目にあらわれるし、
慣れてない人でもなんとなく目でわかりますよ。
自分で「イケる」ってのは、わかると思うし。 |
糸井 |
雑学を付け焼き刃みたいに、
受験勉強みたいにいっぺんに覚えようとしても
ダメですよねぇ。 |
零士 |
だから、いつもいつも、いろんなことを
見てたほうがいいですよね。
僕の部下も今30人くらいいますけど、
「そんなことしなくても僕は大丈夫ですよ」って
言う人もいるんですよ。
「だけど、できないより、できたほうがいいよ。
基本はそれだよ。どこまで自分で追求するかだよ」と。
僕はそう考えますね。
(つづく) |