糸井 |
そういえば、一時期さぁ、
ホットドッグプレスとかでさ、
「どうやって女の子とつきあうか」とかさ、
マニュアルがありましたよねぇ。 |
零士 |
でも、最近なくなったでしょ? |
糸井 |
あれ読んでたら、男の子はどんどん辛くなりますよね。 |
零士 |
だって、たいていは、ほとんど
「こんな事だれでも知ってるよ〜」
って内容ですよね。 |
糸井 |
あれは、要するに雑誌つくってる
編集者が考えてることだからね。 |
零士 |
そうですよ。
だいたいプロがそんなマニュアルなんて
しゃべってないですから。
で、ああいう記事を書いた人は、
その時点ですでに二番せんじ、もしくは三番ですよね。
で、それを読んだ男の子は四番、五番なんですよね。
そんなのだらけなんで、失敗したときのショックが
余計に大きいんですよ。
ぜったい失敗しますよ。
100パーセントですよ。 |
糸井 |
零士さんから見て「こいつはイケるな」という
男の子を見つけるときって、何が基準なんですか? |
零士 |
僕が「こーいつはモテるだろうな」って思う人ですよね?
ま、僕とちがうタイプで、よく見るというか、
なるほど、こういうパターンもあるんだな、と思うのは、
“わりとソフトなんだけど、
相手をこう……言葉だけでない雰囲気で、
うなづかせるヤツ”。 |
糸井 |
そんなヤツがいるんだ? |
零士 |
やっぱ、いるんですよねぇ。 |
糸井 |
トーク、なし? |
零士 |
トーク、あんまりなくて……、
あのね、僕にはちょっとできないことなんですけどね、
そういう人って……相手とパッと合うんですよ。
で、さっき僕は、1の段階から一気に
3にもっていっちゃうと言いましたけど、
それを言葉じゃなく、
態度でできちゃうヤツがいるんですよ。
僕は言葉で持っていくって言いましたよね。
「こういう、何もしゃべらないでいるのも、
これって、俺なんだよ……」というのも、
やっぱり言葉で言ってますよね。 |
糸井 |
口に出して言ってるね。 |
零士 |
それを言わないで、
3にもっていちゃうヤツがいるんですよ。
世の中には。 |
糸井 |
いるんだ……。 |
零士 |
いるんですよ。
なんかその、セリフがなくて、
「…………」ってだけで、
「あ、かっこいいなぁ〜」って思うヤツ。
言葉じゃなくて、仕草でできちゃうヤツがいるんです。 |
糸井 |
それができる裏付けは、やっぱり自信なんですかね? |
零士 |
勘違いですね。 |
糸井 |
はぁ〜〜〜。
なるほど……。 |
零士 |
ぜったい勘違いなんですよ。
だけど、本人そのまま、それを思い込んでるんですよ。 |
糸井 |
勘違いって、やっぱ魅力ですよね? |
零士 |
魅力でしょう? |
糸井 |
あの、トシちゃんのいい時って、
ものすごくよかったですよね。
あの……田原俊彦さん。 |
零士 |
ええ、大勘違い。
素敵ですよ!
俺ら「素敵だなー」と思ってました。 |
糸井 |
今の郷ひろみさんもそうですよね。 |
零士 |
ええ、大勘違いですよ。 |
糸井 |
イケますよねぇー。 |
零士 |
ええ、ぜーんぜんオッケーですよ! |
糸井 |
なんか「君もお祭りに参加しないかい?」
みたいな感じしますよね。 |
零士 |
ええ。
一緒になって勘違いしないと
いけないような気がしちゃいますね。 |
糸井 |
トーク派としては、天敵ですね? |
零士 |
(小声で)天敵なんですよ〜。 |
糸井 |
商売敵ですよね(笑)。 |
零士 |
こうね、……パシッとキメて、
「ゴー!」とかってシャウトされるとさ、
「なーんだよ、それ?」って思いつつも、
「ウン、カッコいい!」って頷いちゃうんですよ(笑)。 |
糸井 |
あと、スポーツ選手。
野球選手がバーン!とホームラン飛ばしたりとか、
サッカーで活躍したとかって男も天敵ですよね。
それ、やられたら、かなわないもんね。 |
零士 |
天敵ですよぉ。
言葉いらないですからねぇ。
それ、できないんですよ。
だから、それにちょっと似せるには、
単純なことですけど、
「普段いい加減なんだけど、やる時はやるよ」と。
それをちゃんとメリハリをつけて
ジッと相手に見せる、というのも、ひとつの手です。
効果として似てるというか。
だから、言葉だけではちょっと伝えられない部分の、
暗黙知的なものを、ちゃんと見せるには、
なにか言葉ではないものを学ぶんですね。
僕はいつもそう思ってるんです。
「あ、これって言葉じゃないんだなぁ」って人は
いるんですよ。
そういう人をよーく見るんですね。 |
糸井 |
やっぱ、学ぶんだ? |
零士 |
俺、学びますね、その人がやったことを。 |
糸井 |
たとえば、今、誰でもが知ってるような人で、
零士さんから見て「かなわねぇなぁ」って人、だれですか?
(つづく) |