2011年3月11日、東日本大震災がおきました。
10年が経った今日、私たちは、
あの日を思い出したり、
区切りを感じたりするのかもしれません。
日本に住む私たちはそれぞれ、
ここに至る道のりを一歩ずつ進んできました。
今日がほんとうは特別な日ではない、
ということもわかっています。
しかし、どんなに関わりが少なかったとしても、
あの震災に暮らしを左右されなかった人は
いないんじゃないだろうかとも思います。
ほぼ日が親しくしている方々に、
この10年をテーマに、ご寄稿いただきました。
平了さん
その当時、僕は33歳になる歳でした。
今は当然ながら43歳になろうとしています。
10年は、あっという間に過ぎました。
「なにが正しかったのだろう?」
と自問することが多いです。
「できることを、ちゃんとしたのかな?」
そんな風に考えることも多いです。
悲しみや辛さ、悔しさや憤り。
今なら流せるようなことも、
当時はできませんでした。
結局のところ、若過ぎた僕の中では
何も上手にできなかったと思います。
捨身で手を伸ばしても、
救えないものがいっぱいありました。
いくら表現しても伝わらないことが
いっぱいありました。
言動や行動が裏目に出てしまうこともありました。
失敗や後悔もたくさんあります。
一年は10日が36回だと、
亡くなった友人が言っていました。
あれから10日がおよそ360回。
どの日も「捨てず」に、
1日ずつ最高の日にしようと思っています。
楽しさを見出し、できないことに気を取られずに、
できることを。
疲れることもあります。
面倒だなぁと気が重い日だってあります。
それでも、大切なことを大切にできる
人になること。
それは案外大きなものではなくて、
小さなものなのかもしれないと注意しながら、
できることをしていくぞと思っています。
想像力を働かせても未来は分かりません。
想像できないようなことも起きたりします。
でも、僕は想像力さえあれば、
無限の力を発揮できると信じています。
想像力の先に思いやりがある。
そのことを信じ、なににも屈することなく、
決して諦めず、
戦いの心ではなくて優しさのような心で
生きていきたいと、今はそう思うのです。
平了
<平了さんのプロフィール>
宮城県生まれ。
東日本大震災後、津波被害を受けた家の
土砂や瓦礫を清掃する「スコップ団」の活動を開始、
参加者は2500人にのぼった。
2013年には社会人応援団「青空応援団」を結成、
初代団長となる。全国90人以上の団員が所属。
内装デザイン会社「ファンキーベイビー工務店」代表。
著書に『青空応援団〜僕らはいつだって応援している』がある。
ほぼ日のインタビューコンテンツ:
「誰かを応援してますか。」
「田口くんのヒッチハイク」
「僕たちの花火の連絡、見えますか。」
など。
Twitter:@ryotaira0512
Blog:「僕の消灯時間まで」
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